第102号「新しい取引先がちゃんと支払ってくれるか不安なんですけど・・・」(2)
【前回(97号)までのあらすじ】
手形などは、支払いが遅れると倒産すると考えられるので、優先的に払ってもらえます。さらに手形があると、「お金はないけど事業は続けたい」という債務者に対し上手い交渉ができるのです。
「お金はないけど事業はつづけたい」という人の交渉は、まずは有り金を全部吐き出してもらうことが前提になるのですが、それ以上に債務者から担保をとるのはリスクがあります。
本来、債権回収は「早い者勝ち」なのですが、相手にお金がないと分かってしまうと、「債権者平等」という要請が働きます。これは「金がないんだから、早い者勝ちではなく、解散に向けて債権者に平等に財産を分けましょうね」という発想です。単なる弁済以上に、新たな担保をもらって抜け駆けしようとすると、「詐害行為取消権」や「否認権」という権利によって、債務者の下に財産が取り戻されてしまうのです。手形も払えないような人は、基本的にお金がありません。だから、そこから無理して策を講じようとすると、常にこの「詐害行為取消権」や「否認権」のリスクに脅かされてしまうのです。
そこで強くお勧めしたいのが、手形不渡りをちらつかせて、親族でもよいので、ほかの人・会社に保証人などになってもらうよう交渉するということです。これで支払いを確実にするのです。ほかの人の担保ならば、否認権等のリスクはありません。お金がないけど事業は続けたいという人は、「今はお金がないけど、人脈やノウハウがあるから、今後はやっていける」という人が多いです。ほかに保証人などを集められないような人は、今後事業をやっても、破綻することが目に見えています。実際にお金を貸している人が今後再建可能かを見極めるという点でも、きちんとほかの人を担保にとる交渉をすることが、とても重要になるのです。
週末のおでかけ日記
平成28年4月2日に、第6回「インターペット~人とペットの豊かな暮らしフェア~」@東京ビッグサイトに行ってきました。ペットのビジネスって、ちょっと前まではペットフードやペットシーツくらいだったんですけど、たとえばペットの歯周病対策のための歯磨きグッズや、ペットとの思い出保存アプリ、さらには、メルセデス・ベンツ(!)も出展していました。なんか、ペットに癒されに行ったのですけど、ペットビジネスの面白さを感じ、私も、もう少し「ペット弁護士」としての研鑽を高めたいなと思いました。 (文責:杉浦)
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