助成金に関する問題

近頃、助成金受給に関する相談を受けることが多くあります。

雇用調整助成金や休業支援金など、主にコロナ禍において事業主を支援する目的で給付されていた助成金について、不適切な受給だったとして労働局から調査を受けている、又はその疑いがあるので労働局へ申告すべきか悩んでいる、という相談です。

 

コロナ禍において活用されたこれらの助成金は、事業主の休業に伴う金銭的負担への支援を目的にしたものです。そのため、休業していることを前提に、休業日数や休業した労働者数に応じて給付される仕組みになっています。
ところが、この休業日数や休業労働者数を過大に申告してしまったとか、実際には出勤していた労働者を休業扱いにして申告してしまったとして、規定以上の助成金を受給してしまったという事案が非常に多くみられます。
コロナ禍の慌ただしい状況下、行政の審査が十分に機能していなかったために、今になってこのような問題が発生していると聞きます。

 

こういった受給トラブルが生じた場合、当該受給については返納する必要が生じます。本来受給することのできない分まで受給しているので、これは当然といえるでしょう。しかし、これに加えて、2つの大きな問題があります。
一つは、不適当な受給以外に、正当な受給分まで返納しなければならない場合があること。もう一つは、不正受給した事業主として、事業主名が公表される場合があることです。

 

どちらも、事業主としては避けたい事態です。

 

次回からは、不適切な受給が見つかった場合にどう対応すべきかについて、お話してまいります。

 

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2月は、埼玉は秩父まで自転車旅行に行ってきました。折しも寒波襲来の日で、結構な雪に降られながら秩父の山中を走っていました。
まだまだ寒い時期が続くので、3月は西方面に旅行に行きたいと考えています。琵琶湖一周や、しまなみ海道あたりがいいなと企んでいます。                                                                                         (2024年2月26日  文責:越田 洋介)