外国人雇用の法務(20)
前回まで、「永住者」に関する法改正について紹介するために、前提知識を解説していました。「永住者」の在留資格をとるためには、申請の際「公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること」がチェックされることを、前回解説しました。
今回は、それを前提に、法改正について解説します。
今回の改正の大きなポイントは、永住者の資格を取り消す原因を定めた入管法の規制に、追加の条文が新設されたことです(入管法22条の4、8号、9号)。
特に8号では「故意に公租公課の支払をしない」ことが、資格の取消事由になることが明記されています。
出入国管理庁などの説明によれば、永住者資格許可の段階では、しっかりとまとめて公租公課の支払いをしていたものの、一度許可をもらってしまうと後に在留期間の更新となどの手続がないため、永住許可後には、公租公課の支払をせずそのままになってしまうケースなどが生じてきたそうです。
もともと、日本の法令遵守や、税金の支払いを守ることが、永住という重大な資格を受ける前提事項なはずです。そこで、在留状況が良好と評価できない永住者に対し、適切な在留管理を行うため、永住許可制度の見直しをしたということなのです。
実質的に資格の取消事由を拡大したこの改正、令和6年6月に公布されましたので、そこから3年以内に、実際に効力を発することになっています。
物好き弁護士のつぶやき
恒例コーナー、1歳10か月になろうという娘が、覚えて使いだした言葉発表です!
・「アンパンマン見る!」
うちは、絵本や外遊びもバランスよくしているほうだと思いますが、それでも動画にはどうしても頼らざるを得ません。この前は、「アンパンチ」という名のタッチをお見舞いされました。
・「わかったよぅ~、ゴメンゴメン」
こ、これはどこで覚えたんでしょうか(汗)多分自分の気が付かないうちに、私が妻に連呼していて、それを子供が聞いている可能性が、、(ごめんを2回言うのがポイントです。) (2025年6月4日 文責:原田 大士)
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