【事業承継編】非上場株の評価ルールが刷新へ。国税庁の検討会議が始動(1)

相続税法では、株式を贈与・相続する際、「その時の時価」で課税されるのが大原則です 。

しかし、上場株と違い、非上場会社の株式には「取引相場」が存在しません。 そのため、国税庁が定めた「財産評価基本通達」というルールに従って、類似業種の株価や会社の純資産から「評価額」を算出し、それを税務上の時価として扱います。

この評価ルールは、親族間での承継だけでなく、第三者や従業員への承継(MBO等)の際にも評価の目安として活用される非常に重要なものです 。

この度、この非上場株式の評価ルールが根本から見直される可能性が出てきました。実は、令和8年4月20日、国税庁にて「取引相場のない株式の評価に関する有識者会議」の初会合が開催されました。この有識者会議の対象は、法律ではなく通達になります。法律であれば国会での審議が必要ですが、通達は行政(国税庁)の判断で変更が可能です。そのため、議論がまとまれば、比較的スピーディーに新ルールへと移行する可能性があります。
なぜ見直しの話になっているかというと、現在のルールに深刻な問題が指摘されているからなのです。たとえば、現状だと、貸借対照表ベースで考える「純資産価額」と、類似した上場企業のデータを参照していく「類似業種比準価額」を一定割合で組み合わせて算出するのですが、この類似業種比準価額が低すぎて、時価計算の基準になりえないのでは?という話がされているところです。しかも、この類似業種比準価額を多めに組み合わせるための細工が横行してしまっており、不公平感も強まっているとされているのです。

 

このルール変更は、将来の納税額や事業承継プランに直結する大きな転換点となります。 具体的にどのような「不公平」が問題視され、今後どのように変わろうとしているのか。次回以降、その詳細を分かりやすく解説してまいります。まずは「評価ルールが今、変わろうとしている」という事実を、経営の重要トピックとしてご認識いただければ幸いです。

 

最近のへべれけ日記

暖かくなってきました。半袖で出歩いても大丈夫な日が増えてきましたね。ただ、まだ肌寒い日もあり、そんな日は、日本酒の熱燗がよく染みます。
最近は、滋賀の「松の司 生酛純米酒」を、200mlのコニカルビーカーに入れてレンチンして簡易熱燗を作っています。ある程度強めのお酒だと、レンチンしても味が崩れないので、おすすめです。              (2026年5月7日  文責:杉浦 智彦)