知って得する労働法改正➁

引き続き労働に関する法律等の改正についてのシリーズを書いて参ります。

 今回取り上げるのは、深刻な人手不足を背景に近年注目されている「外国人労働者の受入れ制度の拡充」についてです。「特定技能制度」の分野拡大や永住要件緩和の議論が進み、今後さらに外国人材を受け入れる方向での法改正が予定されています。
 外国人雇用は慎重な法的対応が求められる分野である一方で、制度を正しく理解・活用することで、企業にとっては人材確保の強力な手段となります。

 

 

内容 改正概要
対象業種の拡大 令和5年度末に追加された2分野(林業・木材加工)を含め、対象分野は16業種に拡大。製造・建設・外食など人手不足業界中心。
特定技能2号の拡充 「建設」「造船」に加えて、「自動車整備」「産業機械製造」などにも2号対象を拡大。2号は在留期間の上限がなく、長期雇用が可能に。
永住申請の柔軟化

研究者等の高い能力を持った人材は、永住者への転換をより容易にする取り扱い(高度外国人材)が始まっており、優秀な外国人材の定着促進が狙い。

 

 

 たとえば、従来は一時的雇用にとどまっていた特定技能1号の外国人材が、改正によって2号へ移行できる分野が拡大することで、中長期的な戦力として確保できるようになります。これは、現場ノウハウの継続や育成投資の効果が発揮しやすくなるという点で、企業にとって非常に大きな利点です。


 また、永住許可基準の見直しが進めば、優秀な外国人材の長期定着がより現実的となり、外国人雇用に消極的だった企業にとっても、採用の幅が広がることになります。

 

後書き

先月、大阪関西万博に行って参りました。近年の物価高によりかさんだ建設費や、並ばない万博が実現できていない、挙げ句の果てには虫がすごいなど、何かと批判の的になってはいますが、私自身は楽しめました。パビリオンの運営や野外イベントのために、各国の外国人も訪れていて、国際色豊かな雰囲気を見るだけでも非日常感を味わうことができました。

                                                                                                                (2025年7月29日 文責:高橋  涼馬)