外国人雇用の法務(19)
前回、在留資格の一つである「永住者」がどういう資格か、ほかの似たような言葉と比較しながら、解説しました。
帰化が、外国人が日本人になる手続きであるのに対して、「永住者」は、外国人のまま、就労制限なく、実質的に永住することができる資格でした。また、帰化よりも、永住者の資格を一から取る方が難しいと一般的には言われています。
これから、昨年、永住者の制度にどのような変化が起こるのか、解説したいと思うのですが、その前に、永住者の資格を得るために必要な条件がその改正に大きく関わるので、今回はこの点を説明します。
先ほど、一から永住者の資格を取ることが、帰化よりも難しい傾向にあると述べました。永住者の子供などは、永住者資格の要件が緩和されますが、そういう例外でなければ、以下の条件が満たされないと、永住者の資格を得ることはできません。
(1)素行が善良であること
(2)独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること
(3)その者の永住が日本国の利益に合すると認められること
このうち、⑶については、さらに4つの事項が揃っていることが必要となり、その一つは、「罰金刑や懲役刑などを受けていないこと。公的義務(納税、公的年金及び公的医療保険の保険料の納付並びに出入国管理及び難民認定法に定める届出等の義務)を適正に履行していること」です。
要するに、日本の法律を守って生活しているか、特にそのテストの一環として、しっかりと納税義務をこれまで果たしてきたかが確認され、初めて資格が得られるわけです。
当たり前と言えば当たり前だと思いますが、この「公的義務の履行」ということが、今回の改正に大きく関係してきます(次回へつづく)。
物好き弁護士のつぶやき
1歳の娘が、だんだん言葉を覚えてきました。パパ、ママ、だけでなく、歩く、抱っこなど、基本的な動作の単語が出てきました。動物が好きなのですが、話せる動物の名前も増えてきました。
そのような中、最近突如出てきたのが「怖い」「かわいい」という形容詞、そして言葉遊びです。
例えば、一緒に動物図鑑を見ていると、「トラ」「コワイ」と、娘が虎の写真を指差して私に話しかけてきます。私が「コワイ?カワイイ?」と聞くと「カワい」と返してきます。
子供からしたら、怖いと可愛いが、表裏一体なのかもしれません。 (2025年4月28日 文責:原田 大士)
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