【事業承継編】M&A仲介の闇について

近年、中小企業の間でもM&Aが一般的な選択肢として広く認知されるようになりました。

後継者不足や事業の継続のためにM&Aを活用する例は増加しており、以前に比べてM&Aが身近な存在になっていることは間違いありません。同時に、この需要拡大に伴ってM&A仲介を名乗る事業者も急増しています。

本来、仲介会社は売り手と買い手の間に立ち、双方が納得する条件での契約成立を目指すのが役割ですが、現状では多様なプレイヤーが入り乱れている状況です。

問題の一つとして、M&A仲介のためには特別な資格や免許が要らないことが挙げられます。弁護士や公認会計士のような国家資格がなくても仲介事業を手掛けることが可能なため、経験や知識が乏しいまま参入するケースも散見されます。また、仲介手数料や契約締結の成果報酬を求めるあまり、不十分な情報提供や一方に偏ったアドバイスを行ったり、有力な買い手に忖度し、売り主に不利な契約を進めるなど、当事者の利益を犠牲にする手法が後を絶ちません。

さらに、買い手側でも悪質な事業者が増えている点は見逃せません。後継者不在という弱みに付け込み、相場よりも著しく低い買取価格を提示したりするなど、売り手側の無知や不安につけ込む行為が問題となっています。場合によっては、買収後に、経営者保証を外さず、お金だけ抜いて放置し、結局、売り手企業が破産せざるを得なくなるという事例もあるため、売り手としては慎重な対応が不可欠です。

 

こうした「闇」を回避するためには、仲介会社に任せきりにせず、一方当事者である依頼者の利益を考えてくれる弁護士などの専門家からのアドバイスを受けることが大切です。また、契約書の内容やデューデリジェンスの範囲をしっかり確認し、少しでも疑問があれば法律の専門家や公認会計士などに相談することをおすすめします。M&Aを円滑に進め、後悔のない事業承継を実現するためにも、正しい知識と信頼できるパートナーを得ることが最善の対策といえるでしょう。

 

最近のおでかけ日記

四月に入り、ゴルフを楽しむのにちょうど良い季節がやってきました。先日、友人に誘われてゴルフに行くことにしたのですが、前日の予報では曇りだったため、「大丈夫そうだし行ってみよう!」と決断。ところが、その瞬間から天気予報が一気に悪化し、当日はまさかの豪雨…。結局、土砂降りのなかプレーする羽目になりました。まさにトホホな一日でした。

                                                                                                                   (2025年4月14日  文責:杉浦 智彦)