退職に関するトラブルについて(11)

前回は会社が希望退職者を募集する際の手続きについて概要をご説明致しました。その中で、事前に募集対象者とは面談をしたほうがよいとしましたが、今回は、面談の際のポイントなどについてご説明いたします。

 

この面談の趣旨は、(少し聞こえが悪いかもしれませんが、)会社側が、やめてほしい人とやめてほしくない人を選別し、ある程度希望退職者の応募をコントロールすることにあります。
ですので、やめてほしくない人に対しては慰留のための説得をしますが、やめてほしい人に対しては退職を促すことになります。

これは通常の退職勧奨(たいしょくかんしょう)とも共通しますが、会社の経営状況が厳しいことや本人に対する評価が低くて昇格などの見込みがないことなどを説明し、できるかぎり時間をかけて本人の意思で退職を希望するようにする必要があります。時には、本人の能力や問題行動について、客観的な資料を示して説得することも必要です。
「希望退職に応じなければ解雇する」などの発言や大声で恫喝するような対応をしてしまうと、違法な退職の強要と言われてしまいます。また、長時間の面談は心理的な圧迫を受けたといわれる可能性がありますので、1回30分程度にとどめておくようにしましょう。面談の回数も日をおいて3回程度が目安です。

 

面談に応じない場合、退職に応じない場合や明確な拒絶の意思がある場合でも、無理強いをしたり何度も退職勧奨をしたりはできませんので、やめてもらいたい人については、最終的に整理解雇などを検討することになりますが、その場合でも時間をかけて面談をおこなったという事実は、会社側にとって有利に評価される事情となります。

 

日々の雑感

子供とボーリングに行くのがささやかな夢でしたが、先日実現しました。ガター防止レーンがあれば子供でもいい点が取れるものと思っていましたが、まだ6歳児にはボールを強く投げるちからがなく、ボールはゆっくりとガター防止レーンに沿ってコロコロ転がり、端っこのピンを1,2本倒すのがやっとでした。それでも楽しいようで、いっしょに3ゲームやりましたが、私だけ翌日筋肉痛になりました。                                                              (2025年1月28日  文責:下田 和宏)