助成金に関する問題④

これまで、雇用調整助成金や休業支援金などの助成金の不正(不適正)受給について、そのリスクや対応方法について解説してきました。

 

そこでは、基本的に不正ないし不適正な受給であることに争いがないことを前提に、会社としての損失を抑えるための対応に焦点を当てていました。
今回は、そもそも不正(不適正)受給であることを争う場合を考えます。つまり、労働局は不正(不適正)受給だといってきたが、会社としては給付要件を満たした適正な受給であると考えており、この点について労働局と争うということです。

 

まず、行政(労働局)と争うというと、大事に思えたり、多大な労力を要するのではないか、却って不利益な扱いをされるのではないかと不安に思うかもしれませんが、その心配はありません。
争うといっても、裁判などを起こしたりするわけではありません。労働局の担当者と、事実関係の確認や支給要件の解釈の擦り合わせをしていき、見解の相違部分を明らかにし、その当否を明らかにしていくという作業です。書面や電話協議をもって進めていくことができます。
こちらが適正受給にあたると考える理由を論理的に示せば、労働局もそれに応じて論理的に回答を示してきます。
そして、その結果として労働局側の誤りが明らかになれば、(当然ですが)当初の不正(不適正)受給であるとの見解を改め、処遇も見直されます。

 

また、そもそも労働局が誤っていることなんてあるのかと思うかもしれません。これは私の感覚ですが、助成金の不正(不適正)受給をめぐる労働局の対応は、大分「雑」に感じます。担当者が基本的な支給要件を誤解していたり、その誤解に基づいて不正(不適正)受給だと言い切っていることがあるなど、間違った対応も散見されました。

 

このように、労働局の判断が間違っていることがあり得、それを争うことも何ら問題のあることではありません。
そのため、少しでも不正(不適正)受給であるとの判断に納得できない点や確認したい点があるのであれば、しっかりと申入れをしていくべきでしょう。

 

Atty’s  chat

先日、人生二回目のコロナに罹りました。最近流行っている株の特徴として、喉の痛みが強いというのをみていました。実際に罹って分かりましたが、本当に痛いです。どのぐらい痛いかというと、嚥下した際に激痛が走ることから、覚悟なしには唾を飲み込むことさえできないほどです。感染者数も増加してきているようなので、皆様もどうぞお気を付けください。                                                                                                             (2024年6月18日  文責:越田 洋介)