外国人雇用の法務(10)

前回から、在留資格のうち、2019年に創設された「特定技能」という資格について、解説を始めました。

人材確保が求められている一定の産業分野に限定して、即戦力となる専門性・技能を有した外国人を受け入れるというのが、特定技能の制度趣旨でした。
今回は、特定技能に関する去年と今年の大きな改正について、解説します。

 

特定技能の在留資格には1号と2号という種類の在留資格が存在しています。簡単にいうと、2号のほうが1号よりもハードルの高い資格になっていて、1号では通算5年までしか在留が出来ないのですが、2号を取得すれば、原則無制限に更新できるようになります。

特定技能1号の対象となる産業分野は以下の通りであり、介護を除いて、2号での資格も取得可能です(令和5年8月31日、大幅に2号取得範囲が拡大しました)。
①介護②建設③造船・船舶用工業④ビルクリーニング
⑤素形材・産業機械・電気電子情報関連製造業⑥自動車整備⑦航空⑧宿泊
⑨農業⑩漁業⑪飲食料品製造業⑫外食業

 

さらに、令和6年の閣議決定などで、以下のような改正がされました。

・以上の産業分野に加えて、⑬自動車運送業⑭鉄道業⑮林業⑯木材産業の4分野が追加されました(ただしこちらの4分野は、特定技能1号でのみ受け入れ可。)。

・令和6年4月から5年間の受入れ見込数を設定し、全産業合計で82万人と設定されました。これは、過去の5年の見込み数の約2.4倍です。

・介護の特定技能1号の人材を、訪問介護に従事できるよう緩和がされる予定です。

物好き弁護士のつぶやき

先日、弊所大山と交代して、横浜東ロータリークラブに入会致しました。
 地域に根差しながら、日本・世界へとご健勝をされている諸先輩の方々に列席させて頂くことは恐縮ですが、精いっぱい奉仕活動が出来ればと考えています。
 ロータリークラブの歌というものがいくつかございまして、例会で歌います。その中に、「それでこそロータリー」という曲があり『どこで会っても やぁ と言おうよ 見つけたと時にゃ おいと呼ぼうよ』という歌詞があります。
 博愛精神を明確にした素晴らしい歌詞だとは思いますが、新米かつ若輩の私には、そのまま実践するのは恐れ多いです。                                                                                                            (2024年6月11日  文責:原田 大士)