外国人雇用の法務(12)

前回は、「技能実習」という在留資格をご紹介しました。 
技能実習制度は、元々、日本で外国人に日本の技能・技術を学んでもらい、母国の産業発展にも寄与してもらおうという国際貢献という名目から設けられていた資格でした。
 しかしながら、外国人の人材確保のニーズが高まり、「特定技能」という別の在留資格が設けられるとともに、「技能実習」に変更を加えて、そのようなニーズに対応していました。

 

今回は、そのような中、今年の6月、参議院で可決された入管法の改正を紹介します。
 改正の概要を一言で要約すると、「技能実習」という資格・制度は廃止され、「育成就労」制度が創設されます。「技能実習」という資格の代わりに、「育成就労」という在留資格が設けられるわけです。

 

両者の違いは、どのような点にあるのでしょうか。

以下のような点が、主な違いです。

 

・「育成就労」に代わることで、より「特定技能」一体となって運用されるようになります。「育成就労」は、初めから人材確保と人材育成双方の目的に設置されており、3年間の育成期間を通じて、外国人が特定技能1号の水準になることを予定しています。

・そのため、「技能実習」よりも「育成就労」のほうが、外国人に日本語能力を多く求められると言われています。この日本語能力向上のため、受け入れ企業が負担を受けると言われています。

・「育成就労」は、「技能実習」より資格者の他企業への転籍が緩やかに認められます。

 

 

必ずしも外国移民を緩和するという制度設計では無さそうです。社会的なインパクトは、今後の動向を見ていくほかないでしょう。

 

物好き弁護士のつぶやき

家族で秋田旅行に行ってきました。田沢湖で一泊し、角館を訪れた後、秋田市に行き、竿燈まつりを見てきました。0歳の娘は、湖の水に触れてみる、枝豆豆腐やお吸い物(当然じゅんさい入り)を飲む、そして和室に敷かれた白いシーツの布団で寝転がる、全てが初めてのことで大はしゃぎでした。私は大学時代、民謡同好会というサークルに入っており、そこでドンパン節(大仙市の民謡)をよく歌っていました。カラオケで入れると、お店によっては、なぜか竿燈まつりの映像が流れることがあり、それが竿燈まつりを知ったきっかけでした。お祭りは、とても華やかで品がありました。そうこうしている内に、娘の1歳の誕生日を祝いました。図らずも、今年は家族イベントの年になりそうです。

                                                                                                                   (2024年8月20日  文責:原田 大士)