管理監督者をめぐる問題②

前回から引続き、会社における管理監督者(いわゆる管理職)をめぐる問題について解説していきます。

 

管理監督者をめぐる問題は、そのほとんどが、法律的には管理監督者に該当しない労働者を管理監督者として扱ってしまい、支払っていなかった(発生しないとしていた)残業代を後日になって請求される、というものです。

ある程度の規模の会社であれば、必ず管理監督者の方を置いているはずですので、多くの会社にとって、この問題は他人事ではないと思います。
このような問題が生じるのを防ぐには、管理監督者が法的にはどのように位置付けられているかを、しっかりと理解する必要があります。
もっとも、いきなり細かい法律の話ではかえって分かりづらくなってしまうので、まずは導入として、管理監督者であることが争われ、そして否定されてしまった有名な事案を紹介します。

 

・マクドナルド事件:マクドナルド直営店の店長を務めていた労働者について、管理監督者性を否定した事案。
・コナミスポーツクラブ事件:コナミスポーツクラブの支店長を務めていた労働者について、管理監督者を否定した事案。
・プレナス(ほっともっと)事件:お弁当屋さんの「ほっともっと」で店長を務めていた労働者について、管理監督者性を否定した事案。
・仁和寺事件:京都の仁和寺において料理長を務めていた労働者について、管理監督者性を否定した事案。

 

上で紹介した事案は、どれも有名な企業ないし法人において、店長などの職位にあった方々に関するものです。大手企業の店長等といった肩書のイメージからすると、「この人たちでも管理職とは認めてもらえないの?」と、少し驚かれるのではないでしょうか。
これらの事案は、何か普通とは違う判断が下されたものではありません。数多くある会社側が敗訴してしまった事案の中から、有名なものを選んだだけです。
むしろ、会社側が勝訴した(管理監督者性が認められた)事案を探す方が大変かもしれません。それほど、管理監督者性をめぐる争いにおいては、会社に不利な判断が下される傾向があるのです。

 

では、上の事例も含め、なぜ管理監督者性が否定されてしまうのでしょうか。
次回からは、管理監督者として認められるための条件なども見ながら、この点について解説していきます。

 

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9月頭から、自転車のレースシーズンに入ります。今年は、長野県は渋峠、群馬県は赤城山、神奈川県は箱根の3カ所のヒルクライムレースにでてきます。
表彰台を狙えるような実力はありませんが、せめて去年の自分には勝てるよう、精一杯頑張りたいと思います。

                                                                                                                   (2024年8月27日  文責:越田 洋介)