【消費者被害と中小企業編】これからの中小企業への規制と保護について

今回で、この「消費者被害と中小企業編」は終了します。まとめ代わりに、今後の中小企業(とくに小規模事業者)の規制・保護の状況についてコメントをしたいと思っています。

 

消費者を保護し、企業側を規制する法律は、森永ヒ素ミルク中毒事件など、健康被害が発生する大型事件を契機にして、この数十年でかなり発達しました。情報開示が徹底されるとともに、詐欺的な手法は、モグラたたきのように規制されていきました。それに伴い、大企業だけではなく中小企業も、営業手法が窮屈になったり、従来不要であった情報開示を迫られています。この方向は、今後も止まらないものと思われます。法律改正に応じて、中小企業は今後も対応を迫られるといえるでしょう。

 

一方、とくに小規模零細事業者が、悪徳業者の被害に遭っているような状況もあります。これまでのコラムでも説明をしてきたように、小規模零細事業者も、実質的には消費者と同じで、情報格差があり、悪質業者から喰い物にされています。この点、国でも問題意識は共有されており、令和4年12月に、国会質問もされています(質問者:櫻井周議員)。
ただ、それに対する政府側のコメントは、「当該取引の公正を確保する観点から小規模事業者に対して何らかの法的な保護を図るか否かについては、小規模事業者を取り巻く取引実態を把握した上で、当該取引にどのような影響を及ぼすかも含め、慎重に検討していく必要がある」とされており、まだ何も動き出せていないところです。おそらくは、あくまで消費者法のような規制は例外的で、その規制を広げることで、かえって経済を歪めたりする懸念があるのだろうと思われます。

 

 

それでも、今後、社会問題となり、政府が本格的に事業者間でも情報開示が広まることで、今後状況が変化している可能性はあるものと考えております。また、その時流の流れに対応して、中小企業に対する弁護士のサポートも変化していくものと考えています。

 

 

週末のおでかけ日記

先週ではないのですが、2月・3月と二ヶ月連続で鳥取県の米子市・倉吉市に出張に行き、その前後で観光をしてきました。大雪に見舞われるかと予想していたのですが、幸運にも、とても暖かいタイミングで訪問することができました。日本酒フリークなので、居酒屋で海鮮を肴に山陰の日本酒を多数いただいたり、酒蔵見学したり、なかなか楽しい出張でした。
当事務所では遠方出張も受け付けていますので、ぜひ私を遠方に連れて行ってください笑 

                                                                                                                     (2024年3月11日 文責:杉浦智彦)