退職に関連するトラブルについて(4)

前回は、体調不良などを理由に欠勤が続いている社員の扱いについて、ご説明しました。
今回は、この続きで、休職についてご説明します。

 

休職とは、一般的には、労働者側の事由により働けなくなった場合に、使用者側が一定期間の労働を免除することをいいます。

労働基準法などに規定があるわけではないので、どのような場合に休職を認めるのか、いつまで休職を認めるのか、休職期間中の賃金や社会保険料は支払うのか、復職の条件はどうするかなどを決める必要があります。
そして、決めた内容は就業規則などに定めておく必要があります。

まず休職期間中の賃金の支払についてですが、一般的には「ノーワーク・ノーペイの原則」といって、労働がないので賃金もないというのが原則になります。
休職期間中の賃金はなしとしている企業が多いと思います。

 

次に社会保険料についてですが、休職中かつ無給であっても、社会保険料は負担しなければなりません。
本人負担分の社会保険料をどうするかは、事前に就業規則などに定めておく必要がありますが、会社側がいったん立替えて復職後に請求することが考えられます。

ただし、本人が支払を拒否した場合や復職せずに退職してしまった場合など、立替え分を回収するために紛争に発展してしまうリスクもあります。

このようなリスクを回避するためには、私傷病休職の場合、本人は健康保険から「傷病手当金」を受けることができますので、社会保険料については、傷病手当金から本人に支払ってもらうよう決めておくのが望ましいといえます。

次回は、休職後の対応についてご説明いたします。

 

日々の雑感

娘はまだ日本語に不正確なところがあり、靴がキツいことを「くつがひくい」といいます。久しぶりは「ひしゃぶり」、昔のことは「どんどんだいぶまえ」といいますが、これは間違ってないので、私も訂正することなくマネしたりします。先日は「パパあやしい」と言われました。前後の文脈的には「パパやさしい」と言いたかったのだと思いますが、本当にあやしいと疑われていたら悲しいですね。                                                                  (2024年5月22日  文責:下田 和宏)