退職に関するトラブルについて(5)

前回は、休職中の従業員との関係について話しました。
今回は、休職が終了した後の関係についてお話しします。

 

休職期間中又は休職期間が満了したときに休職事由がなくなれば、職場に復帰となります。この場合、会社は理由なく復職を拒むことができません。
ただし、就業規則などに「会社が指定した医師の診断を受ける必要がある」などと定め、その診断書を参考に復職可能かどうかを判断する、ということはできます。

 

また、復職ができないとなった場合でも、休職期間が満了しただけで自然に退職になるわけではありません。その旨を就業規則に定めておく必要があるのです。
その場合でも一方的に退職扱いとすると、のちに無効を主張されて法的紛争に発展することもありますので、できる限りの説得と本人の同意を得るのが望ましいです。

 

実際には、この休職期間の終了後の取扱いはトラブルとなることが多く(復職、休職期間の延長、退職や解雇)、就業規則などで明確にしておくのが望ましいといえます。

 

たとえば、同一又は類似傷病については、休職の利用は1回限りにするなどの制限を設けたり、復職支援プログラムのように復職に向けた制度を設けたり(もっともプログラムに合格しないと退職や解雇とする会社も多いです)、復職後の業務や労働時間など本人と調整しながら様子をみるのが望ましいといえます。

 

それでも復職ができない、あるいは業務の継続が難しいという場合には、まずは退職勧奨をしていくことになります。本人が退職に応じない場合は、就業規則に自然退職の規定があれば退職扱いとし、規定がなければ解雇となりますが、紛争回避のためには各プロセスを経たという客観的な証拠を残しておきましょう。

 

日々の雑感

来年小学校に進学する娘のランドセルを見に行きました。
赤と黒しかなかった私の小学校時代と違い、いまやランドセルはいろんな色があり、素材やデザインなど選択肢がたくさんあります。
娘は「これがいい」と即決し、試しに背負ってみて、ニコニコ上機嫌。あまりに早い決断だったので、実際に使う来年まで心変わりをしないか少し心配になりました。。。                                                  (2024年6月25日  文責:下田 和宏)