第121号 「たった一人が何百もの商標出願!?」(1)
サーキットにも始めて行きましたが、目の前を高速で走り去るポルシェの迫力は、圧巻でした!次回は、試乗走行にも乗せていただけるようで、また顔を出したいと思います。 少し前に、「国全体の1割の商標出願を一人の男性が行うといった事件」が問題となっていました。今回、なぜこのような事態が起こるのか、少しお話ししたいと思います。
以前、ドーナツ屋さんを題材にお話しさせてもらいましたが、商標といういわばお店の「看板」にあたる権利は、看板を使ってお店を営んでいる人ではなく、権利として申請して商標権を取得した人のものになる、というのが原則だとお話ししました。
もともとは、一緒にやっていたドーナツ屋さんが喧嘩別れして、同じようなドーナツ屋さんをどちらも営むようになった。どちらも人気の出てきていた、元のドーナツ屋さんの看板を使いたい。この場合、元のドーナツ屋さんの看板を使えるのは、『早く』商標権を申請して権利を取得した人となります。
このようにどちらもドーナツ屋を行っている状況ならば、早いもの勝ちで決まる、というのにも、あまり違和感はありません。ですが、商標権の登録には、現実にその看板を用いて事業を営んでいることは要求されません。このことを利用して、国全体の1割の商標出願を一人の男性が行うといった事件が起こってしまいました。
ある看板で事業を行いたい!でも、軌道に乗ってから、マネされたりするのは嫌だ。だから、事前に事業に使う看板の商標権を取得しておこう。これは、もっともに感じられます。
上記のような事態を想定して、商標権の登録には、現実にその看板を用いて事業を営んでいることは要求されないという制度なのですね。
この「早い者勝ち」という原則と、「現実に看板を利用している必要がない。」という制度を利用して、一人の男性が、商標に使われそうな文字列を片っ端から商標出願していくという事件が生じてしまったのです。
そもそも、なぜこんなことをやる人が出てきたのか、どういう対処が考えられるのかなど、この事件について次回からも少し見ていきたいと思います。
とにかく明るい弁護士の近況
昨日は、お世話になっている人に声を掛けてもらい、ポルシェだけのレース大会を見学させてもらいました。比較的新しい型のポルシェ、10年ぐらい前の型のポルシェ、それ以上昔のポルシェなど、「ポルシェ」だけで、こんなにたくさん集まるのか!と、びっくりしました。
サーキットにも始めて行きましたが、目の前を高速で走り去るポルシェの迫力は、圧巻でした!次回は、試乗走行にも乗せていただけるようで、また顔を出したいと思います。平成28年8月29日発行 第121号(文責:山村暢彦)
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