【消費者被害と中小企業編】景品表示法違反ではないというための「資料」
前回、景品表示法という広告規制があり、「これはとっても良い品質(規格、内容)だ!」と 消費者に思わせておいて、実際にはそうではない表示(優良誤認表示)が禁止されているという話をしました。
さらに、優良誤認表示をしていると消費者庁に疑われたら、事業者側は、「表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること」を、事業者が原則として15日以内に主張立証していく必要があるという話(不実証広告規制)もしました。今回は、疑われたときに提出する「資料」がどのレベルまで必要かという話をいたします。
この点について、業界を震撼させたのが、「シーグフィルム事件」
(東京地判H28.11.10 https://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/959/086959_hanrei.pdf)です。
この事件では、事業者側は、遮熱・断熱効果を謳っておりましたが、実際に現場での比較実験データがあり、さらには、それを使用する会社の従業員が執筆した運輸省鉄道局長賞受賞論文などもあるような状況でした。
しかしながら、裁判所は、これらは「資料」に該当しないと判断しました。この判決の言い分からすると、完全に学術論文レベルの資料が要求されており、現場実測ではなく、比較が確実にできる実験室のデータでなければならないとしているわけです。
正直、実証実験があるわけですから、一定の効果はあるだろうことは間違いないわけです。それにもかかわらず、優良誤認表示だと判断しているので、本当に消費者被害なのか疑わしいと思っています。しかしながら、このような裁判例があるため、それを前提に動いていく必要があるといえます。
広告の規制は大変です。ぜひ弁護士のアドバイスを受けていただくことをおすすめします。
週末のおでかけ日記
週末は、友人の結婚お祝いパーティに行ってきました。会場は、お二人の出会ったキッカケとなる居酒屋でした。居酒屋の常連の方が幹事で、お二人が店のスタッフ・常連の皆様から愛されているのだなと感じたイベントでした。日本酒の取り揃えが豊富だったため、結婚祝いを口実に、結局は良い日本酒をガバガバ飲んでしまい、若干の二日酔い気味です。メールの返信が多少遅れること、ご容赦ください。 (2023年8月28日 文責:杉浦 智彦)
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