年次有給休暇の取得義務化とは(9)

今回は、年次有給休暇の取得義務化についてお話しいたします。

年次有給休暇とは、一定期間会社で働いた労働者に、給料をもらいながら休むことを認める制度ですね。「有休」や「年休」というほうが、馴染みがあるかもしれません。

 

これは労働者の権利ですから、基本的には労働者がいつ休むかどうかを決められます。

しかし、有給の取得率が世界に比べて低い日本では、労働者に任せきりではいけないということになり、2019年の労働基準法改正により、有給の取得を会社側の義務としました。

労働者ではなく会社の義務というのがポイントです。

 

義務の内容としては、

① 10日以上の有休が与えられている労働者に対し、

② 年5日間の有休を、時季を指定して取得させる

③ 年休管理簿を作成し管理する (3年間)

というものです。

時季指定にあたっては当該労働者の意見も聞かなければなりません。

 

年休管理簿の管理は煩雑な上、達成できない場合は30万円以下の罰金という罰則もありますので、会社側にとっては負担の大きい内容ともいえます。

一方で、労働者側からも会社に有休を指定されてしまうので、不満が出るケースもあります。

なお、制度趣旨として、年5日の有休を与えればいいだけなので、労働者側がすでに5日使用している場合は会社に義務はありません。

 

日々の雑感

先日、2年の沈黙を破って、シューズボックスの隅に鎮座していた革靴の履き下ろしをしました。コードバン(馬の尻の皮)という、雨に弱く、堅くて皺がくっきりついてしまうのに希少という興味ない人からするとなんじゃそりゃな革靴ですが、貧乏性のため履くのをためらって2年が過ぎました。定期的にクリームは塗りたくっていましたが、まだ堅いのでロボットのようにゆっくりと歩いて慣らしていきたいと思います。               (2022年8月22日 文責:下田和宏)