第5回 従業員のマタハラを放置していないか?

パワハラ、セクハラと、連続でハラスメントのお話をさせていただいてきました。

今回は、マタニティ・ハラスメント、いわゆる「マタハラ」についてのお話をさせていただければと思います。

 

もしかしたらまだパワハラやセクハラほど浸透していない概念かもしれませんが、マタハラとは、妊娠や出産に関して嫌がらせのような言動をすることです。

典型的な例は「妊婦はいつ休むかわからないから仕事は任せられない」「妊娠するなら忙しい時期を避けるべきだった」などという言動ですね。

さらに、実はマタハラは女性だけを対象としたものではありません。男性に対してでも「男のくせに育児休業を取るなんてあり得ない」「迷惑だ。自分なら取得しない。あなたもそうすべきだ」などという言動をすれば、十分にマタハラにあたり得ます。

 

そして、マタハラについても、会社の立場では「従業員同士の話だから…」と放置してはいけません。

法的にも、「男女雇用機会均等法」という法律で、会社はマタハラを防止する措置をとらなければならないことが記載されております。

パワハラやセクハラだけでなく、マタハラについても十分な防止策(社員への研修、相談窓口の設置、速やかな調査など)をとっておく必要があるのですね。

 

そしてこれもパワハラやセクハラと同じく、会社がこれらの措置を怠っていた場合などは、国からの行政指導、企業名の公表、さらには会社が被害者に直接損害賠償責任を負うなどの可能性もあります。

セクハラ、パワハラの陰に隠れがちですが、マタハラの防止も、従業員が快適に働き続けるためにとても重要です。

 

弁護士の徒然草

 最近は「〇〇ハラ」という言葉が非常に増えましたよね。

よく使われるところでは「アルハラ」「モラハラ」などが挙げられるでしょうか。

そして少しインターネットを検索すると…なんと数十個もの「ハラスメント」の種類が出てきます。中にはこじつけにしか見えないようなものもあり、濫発というか、もはや「何でもあり」という状態にも見えます。最近は、とあるお笑い芸人が「何でもかんでもハラスメントと言って逆に混乱を生じさせた場合、それはハラスメントハラスメント(ハラハラ)なのではないか?!」と言っているのを聞いて、なるほどなと思ったのでした。

重要なのは、従業員全員が快適に過ごせる現場を作ることであって、「〇〇ハラ」という字面だけに囚われてしまわないことですね!                                                                                           (2022年7月12日 文責:佐山 洸二郎)