債権回収編【特別編】うっかり誤振込をしてしまったら・・・1

昨今のニュースで誤振込の話題が目白押しですので、特別編として、「うっかり誤振込をしてしまったら・・・」というお話をいたします。

「全然違う人に振り込んでしまった」「思っている金額と違う金額を振り込んでしまった」という誤振込ですが、本当に誤振込だったかどうかは第三者にはわかりません。そのため、一旦相手の口座に入金されてしまうと、簡単に返金を求めることはできません。

 

誤振込をしてしまった場合に、まずは、金融機関に対して「組戻し」という手続きをお願いすることが通常です。これは、一定の手数料(880円のところが多いです)を支払って、振り込まれた先の人の同意をもらって、お金を返金してもらう手続きです。回収までに、だいたい2週間位の時間がかかりますが、これが一番シンプルな方法ですし、普通の人であれば同意してくれることが多いです。また、この手続をすることで、振り込まれた人に、誤振込の存在を気づかせることができます。

 

問題となるのは、報道されている事案と同じように、組戻しに応じてもらえない場合です。誤振込だと分かっている状況だと、「それを銀行に伝える義務があるのに黙っている」ことが違法とされ、窓口から引き出す場合は詐欺罪が成立し、ATMから引き出す行為は窃盗罪が成立します。報道されている事案のように何処かに振り込む場合は、(裁判例はありませんが)電子計算機使用詐欺罪に該当すると言われています。

 

しかしながら、罰せられたとしても、振り込んだ側としてはお金が返ってこなければ困るわけです。一番わかりやすい債権回収の方法は訴訟ですが、訴訟だと、判決が出るまで時間がかかりますし、そのあと強制執行ということになると、それまでにお金を動かされると回収できなくなります。

 

次回、このあたりの回収方法の解説をしていきます。

 

週末のおでかけ日記

高校から大学院までの同級生(法曹関係者)が東京に転勤となったので、男二人で奮発して寿司を食べに行ってきました。ちょっと良い日本酒をガバガバと流し込んでしまい、二人で8合くらい飲んでベロベロになってしまいました。
わたしが弁護士になってからもよく飲みに行くヤツなのですが、会うたびに話の内容が変わります。最初のほうは趣味や同級生の話題が多かったですが、先日は「子どもをどこに遊びに連れて行くか」という話がメインでした。たぶん、もうちょっとしたら、健康の話題がメインになったりするんだろうなぁ・・・。                   (2022年5月23日 文責:杉浦智彦)