団体交渉への対応➁

前回より、団体交渉をテーマに解説しております。

前回は、会社は誠実に団体交渉に応じなければいけないという、「誠実交渉義務」を負っているという、最も重要な原則をお話しました。

そこで今回は、いざ団交の申入れがあった場合についてです。

 

団交の申入れは、書面でなされるのが通常です。郵送、FAX、持参など、方法は区々ですが、必ず書面でなされるとお考えください。

そして申入れがなされた際に一番重要な対応が、「申入書を素直に受け取る」ということです。稀に、「申入書を受け取らなければ団交は始まらないはずだ」とか、「そもそも労組の要求に応じる気はないから申入書も受け取らない」といって、受取を拒否したり、送り返したりするケースがあると聞きます。しかし、申入書の受取りを拒否すると、その時点で誠実交渉義務違反となるおそれがあります。

 

申入書を受け取る=そこに記載のある相手の要求に応じる、ではありません。また、申入書には団交の実施日時や場所の指定があることが多いですが、それに従う義務もありません。時間や場所の都合が悪ければ、調整の協議をすることはいくらでもできます。

ですので、申入れがあった場合には、まずは受け取るという対応を徹底してください。その後取るべき対応は、申入書を確認しながら検討すれば大丈夫です。

 

なお、申入書はそのまま「申入書」という表題のほか、「加入通知書」とか「要求書」といった表題のときもあります。労組から書面が届いた際には、しっかりと中身まで読んで、団交の申入れではないか確認しましょう。

 

Atty’s  chat

横浜中華街の名店、聘珍楼本店が閉店すると聞きました。一応、移転予定らしいですが、移転先は未定とのことなので、現状は実質的な閉店といえます。
横浜中華街の顔ともいえるお店の一つなだけに、非常に残念です。
4月の初めに連絡をしたところ、土日祝日は既に席の空き無しとのこと…。なんとか平日に時間をみつけて、最後にもう一度、名店の味を楽しみたいと思っています。                                                         (2022年4月26日 文責:越田洋介)