【下請・フリーランス新法】フリーランス発展の歴史と保護について

今回から1年間、フリーランスとの取引の注意点について解説していきます。今回は、話の前提として、日本のフリーランスの歴史から解説します。

 

さて、そもそも「フリーランス」の「ランス」というのは槍という意味で、元々は傭兵の意味でした。そこから、組織に属さないで個人で働くひとを指す意味まで広がっていきました。法律でいうと、雇用契約ではなく、請負や委任と呼ばれるタイプの契約になります。

 

日本でも昔からフリーランスは存在しました。建設業の「一人親方」と呼ばれる大工です。自分の仕事に責任をもって、一匹狼として仕事をしていく姿は、一種の憧れの的になることもありました。ただ、建設業は工事中の事故も多い一方で、従業員ではないので労災保険の手厚い保障が受けられない問題がありました。その点をどう保護するかということが議論の中心でした。政治活動が隆盛だった時代背景もあり、昭和40年から、従業員ではない一人親方についても労災保険の特別加入が認められるようになりました。

 

労災保険特別加入が導入された後、主取引先に逆らえないことによる報酬後払い・減額等のトラブルは発生していたのですが、しばらくフリーランス保護の法規制の話は出ませんでした。

 

しかし最近、少し異なる様相を帯びてきました。やっていることが労働者と変わらない人が出てきたのです。

その理由の一つが、労働法の過剰な発達です。会社の業務量が減ったからといって従業員を解雇することは困難になり、また管理職でも長時間残業させることが難しい時代になってきました。そのなかで会社の業務が増加したとき、その業務をどこかにお願いしなければならないわけです。そこで会社は、(とくに派遣等で賄えない力を)フリーランスの活用で補おうとしたのです。国としても、これは良くない傾向だと判断したようで、この度、報酬後払い等の規制を含めて、一気にフリーランス全体に法規制をかけようとしたわけです。

 

次回から、今年秋から施行されるフリーランス新法について解説します。

週末のおでかけ日記

週末は、天気も良かったため、岸根公園にピクニックに行きました。4月ですが、気温も暖かく、半袖でも平気でした。周囲も家族連れが多く、レジャーシートを敷いてお弁当を食べている人がほとんどでした。仕事柄、普段は酔っ払って刑事事件を起こしている人ばかり見かけるため、「こんなに天気がいいのに、酒盛りしている人がおらず、事件が起きないのは平和だな」と思ってしまいました・・・。良くない傾向ですね。                                  (2024年4月22日 文責:杉浦 智彦)