部下を?ったらパワハラですか?(3)

パワハラ防止法が、今年の4月から中小企業にも適用されることになりました。

企業(事業主)は、パワハラ防止のための対応を義務付けられています。

まずはパワハラ対応のルールを作り、それを周知徹底させないといけません。次に、パワハラに対する苦情などを受ける体制を整備する必要があります。さらには、パワハラ被害を受けた労働者に対するケアや、再発防止策を取ることも義務付けられています。

企業として、これらの対応をしないといけないことは当然です。また、これらの施策により、多くのパワハラ問題への対応ができることも間違いありません。

しかしながら、「問題社員」に対するパワハラについては、これだけでは根本的な解決にはならないと思います。この「パワハラ」は、熱心で、責任感の強い上司ほど起こしやすいと感じています。

一方、パワハラの対象となる「問題社員」の方も、驚くほど同じような特徴があると思うのです。

まずは、何度言っても、同じような間違いをするという点。間違いを指摘されると、なにかしらの「言い訳」が出て来る点。(これが、「パワハラ上司」の怒りを倍加させます!) そして、成果は出ないが、時間をかけて「頑張っている」人が多い点です。上司としては、「言われたことはやらないくせに、『徹夜して頑張ってます』って、何考えてるんだよ!」とさらに怒りが倍加するケースが多いようです。エクセルの計算表の数値を新しく入力することを頼まれた人が、何故か自動計算機能が付いていない表を一から作り直したなんて件がありました。しかも自分で計算した結果が間違っていたなんて事案です。

この間違った表が、客先に提出されてしまったので、上司は面目丸つぶれです。内外から上司としての管理能力も問われることになった上司は、問題の部下を、非常に厳しく?りつけました。

こういう問題に対処するには、パワハラ防止法案の対策だけでは、十分ではないように思うのです。