高齢化で借地トラブル増加~貸主・借主どっちが強い??~

ここ最近、「借地権」に関するトラブル相談が頻発しているので、話題を変えて、借地権の問題についてお話ししたいと思います。

 

 「借地権」というのは、土地を借りる権利のことで、通常は建物を建てるために使用されます。一般的な「賃貸借契約」とは区別して、「借地契約」という名称で結ぶことが多く、賃貸借の中で少し特殊な契約です。

 

 普通の賃貸借だと、借主は、部屋や事務所を借りているだけですが、借地契約では、土地を借りて自分で建物を建てることになります。建物のように強固なものを、自分の名前で建てるので、通常の賃貸借と違って、強い権利が認められるのが借地権の特殊性です。

 

 一般的な賃貸借でも、「オーナーより、借主のほうが強いのでは?」なんて言われることもありますが、借地権の場合には、より微妙なバランスになります。

 

 たとえば、、、

 ・建物が古くなったから、建替えたい、大規模リフォームしたい

 ・もう住まなくなったから、建物を売りたい

 ⇒土地オーナーの許可が必要なので、オーナーのほうが有利

 ・息子に家を建ててやりたいから、土地を返して欲しい

 ⇒建物が存在する限り、契約は更新することが簡単なので、借主のほうが有利

 ・土地の値段も上がっているので、賃料をあげたい

 ⇒もとの契約のまま更新することが簡単なので、借主のほうが有利

 

 こんな風に、場面ごとに、お互いの力関係が非常に変わってくるのですね。なので、借地権のトラブルは、そのときの状況だけでなく、将来の土地・建物の状況も予測して解決にあたることが重要になってきます。

 

のどかな弁護士の近況(仮)

 とにかく明るい弁護士の近況」と題してましたが、明らかに旬をすぎましたし、某お笑い芸人が、(よく知らないですが)男女関係のトラブルを起こしたとかで、お客さんからも、「とにかく明るいはやめたほうがいいっす!」と突っ込まれましたので、一時的に「のどかな弁護士の近況」(仮)にします。ちなみに、最近は、「整理」にハマってます。

                                  (2018年10月22日発行 文責:山村 暢彦)