第68号 重点的労務調査が行われました
以前、本稿でも解説したことがある労務調査ですが、最近、面白い記者発表がありましたので、ご紹介します。そもそも、労務調査というのは、税務署の税務調査と同じように、労基署が、労働基準法や労働安全衛生法に違反した状況がないか、立ち入り調査を行うというものです。指導監督に従わないと、刑事罰などもありますので、軽視すると大変なことになります。特に最近では、「ブラック企業」問題がありますから、報道などでも致命的な影響を受けかねません。
さて、その労務調査ですが、税務調査と同様に、大きく分けて、定期的に行うものや、通報があって行うものがあります。そして、たまに対象を絞ってキャンペーン的に行うものもあるのですが、昨年行われた平成26年度「過重労働解消キャンペーン」の重点監督というのもそれに該当します。先月末、厚労省のHP上で結果が公表されましたが、簡単に言うと、4561事業場のうち、8割以上の3811事業場で、労働基準関係法令違反があったということです。2304事業場で違法な時間外労働があり、955事業場で賃料不払残業があったようですので、多くみられる労務問題と一致しています。詳細は、上記HPをご覧いただきたいのですが、今回の対象は、「長時間の過重労働による過労死等に関する労災請求のあった事業場や、若者の「使い捨て」が疑われる事業場」だそうです。「使い捨て」が疑われる事業場ってどういうこと?という疑問はさておき、注目すべきは、一度、トラブルがあった事業場にもかかわらず、そのほとんどが有効な対策を講じられていないということです。こうなると、組織的、構造的な問題と考えざるを得ませんし、経営者の意識改革から始める必要があるように思います。もちろん、様々な事情がありますから、単なる数字を鵜呑みにするわけにはいきませんが、厚労省も、今後の是正状況を確認し、応じない場合は送検も視野に入れると息巻いていますから、健全な労使関係のためにも、早め早めの適切な対応が必要になるでしょう。
グルメ弁護士のつぶやき
年が明けて、本コーナーもリニューアル。悩んだ結果、飲食店様や食品業界に特化した顧問サービスをやっていますので、タイトルは「グルメ弁護士のつぶやき」にしました。もともと外食好きな上に、仕事柄、会食や懇親会も多いため、飲食店や食べ物などを徒然なるままにご紹介したいと思っています。ポジティブな要素で埋める予定です(笑)乞うご期待!(文責:石﨑)
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