第55号 それって交際費?

今年の税制改革では、交際費課税も改正されました。今年の改正では支出した交際費の800万までが経費になり、さらに、1割の損金不算入が撤廃され、全額経費とできるようになりました。
これまで、税務調査官としては、お客さんとの会議で使われた費用は、「会議費なのか、交際費なのか」というのは税務調査の重要な調査事項でした。会議費だと全額経費ですが、交際費だとすると、必ず10%の損金にできない額がでるからです。
ただ、今後は、会社が800万ぎりぎりまで交際費を使っているような場合でなければ、この点はほとんど調査が行われなくなると思います。どちらにしても、全額経費になってしまいますから。
交際費課税についてはあまり気にしなくとも良いのか、とつい思ってしまいがちですが、まだ問題となる点は残っています。
それは、「役員賞与」となってしまう場合です。例えば、使途を明確にせずに、役員に対して「交際費として10万円」といった形で渡した金額は、交際費ではなく、役員賞与になります。また、役員が取引先と一緒に、視察旅行と称して観光などを行った場合は、「交際費」の名目であっても、業務と関係がないと判断され、役員に対する賞与とされることもあるので注意が必要です。こういった場合には、しっかりとした視察計画書や、報告書などを作っておくことが重要となります。
役員賞与とされると、法人税、消費税、源泉所得税の全てで追加納税が発生(税務署では、「トリプルパンチ」などと呼んでいました)するので、調査官としても一生懸命調査してきますから、ぬかりなく準備しておきたいところです。

弁護士川島の一言

クラフトビールが最近流行ってきているのをご存じでしょうか。いわゆる「地ビール」のことですが、外国の著名なコンクールで賞を取るようなものも出てきています。事務所からほど近い関内にも、超小型の醸造所で作ったビールを併設の飲み屋で振る舞うという店があるのです。こんなに小さい設備でも美味しいビールを造れるのかと感心してしまいます。そこでピンときました。こんなに小さくてもよいなら、法律事務所にも併設できそうです!醸造所付法律事務所なんて最高です!が、私が嬉しい以外に何のメリットもないことにすぐ気付きました・・・(文責:川島)