退職に関連するトラブルについて(1)

前回までは賃金の減額についてのお話をしてきましたが、今回からは、退職に関するトラブルの予防についてお話ししていきます。

従業員が自主的に円満に退職する場合であればともかく、退職勧奨などにより退職してもらう場合、取引先や他の従業員の引き抜きをした場合や競業する事業を始める場合など後にトラブルに発展することも少なくありません。

退職の意思を確認した場合は、言った言わないを防止するために、速やかに退職届を提出させ、退職時に条件を定めた合意書や誓約書などを作成するようにしましょう。また、退職金を支払う場合には受領書などを作成してもらうようにしましょう。

ただし、従業員からすると、違法な退職勧奨を受けたが実際には解雇と同じだ、と主張する場合や、合意書や誓約書へのサインを強要されたので無効だなどとして、会社を訴えることも考えられます。
ですので、退職に至るまでには、できるかぎり時間をかけて従業員を説得し、納得してもらうことが重要となります。そして、そのプロセスに関しても、やり取りを記録として残しておくとよいでしょう。

こうすることで、従業員が納得して退職したことを証明しやすくなり、トラブルを予防することが期待できますし、従業員としては裁判等で争うのが難しくなります。

 

今回は総論的なお話でしたが、次回以降はもう少し掘り下げたお話ができればと思います。

 

日々の雑感

先日、初詣と厄払いのためにとあるお寺へ行ってきました。私は今年が厄年なのですが、お寺と神社で年齢の数え方が違うようで(数え年にプラス1)、護摩札を申し込む際に受付の方に自分は前厄か本厄かを尋ねたところ、「どちらが正解というものではないのでどちらでもいいですよ。気持ちの問題ですから」と身も蓋もないことを言われ、一瞬来た意味すらも否定されたように思いましたが、まぁそれもそうかと思い直し、せっかく来たので本厄ということにして申し込みました。その後、30分程度の祈祷を終え、無事に護摩札をもらいました。                             (2024年1月30日 文責:下田 和宏)