会社に役立つ刑事豆知識(12)

前回のコラムで、在留カードの就労制限欄が「就労不可となっている在留資格の代表として「留学」を挙げました。

 

今回は、この「留学」という在留資格で滞在する外国人を雇用する際に実務上生じうるトラブルを2つほど紹介致します。

 

在留資格「留学」で日本の大学に通学していた外国人を、新卒生として雇用することにした場合を考えたいと思います。

当然、雇用時には大学を卒業しているはずですから、「留学」という在留資格のままでは、日本に滞在し続けることは出来ません。その業務に対応する在留資格に、その外国人の在留資格が変更される必要があります。その変更手続きを、「在留資格変更許可申請」といいます。

この変更申請が行われていないのに就労をさせてしまった、というトラブルが一定数存在します。

申請自体は外国人本人が主体になって行いますが、会社も書類の準備が必要になります。適宜申請手続きの協力をすることが必要でしょう。

また、「資格外活動許可」として、アルバイトが許可された留学生を働かせる場合にも、細かい制度上の落とし穴があります。

それは、この資格外活動許可は、留学生が卒業をした時点で、資格外活動が出来なくなるということです(入管法施行規則19条5項)。留学生が側から見れば、卒業すると、アルバイトも止めなければならないということです。卒業日以降も留学生をアルバイトとして働かせたり、有償の研修プログラムなどに参加させたりすると、不法就労と判断される可能性が高くなるため注意が必要です。

 

物好き弁護士のつぶやき

妻子が、妻の実家にしばらく帰省しておりました。その間、上野に「やまと絵展」を見に行ったり、渋谷の映画館にインド映画を見に行ったり、自由にやっていました。それで、2週間くらいしてこちらに帰って来たのですが、娘の顔が随分しっかりしてきて驚きました。妻もなんだかんだ私の手を重宝してくれており、妻が出かける時に娘を見ていたのですが、何をやっても全然泣き止んでくれません。1時間泣き続けたあげく、妻が抱っこした瞬間、ニヤッと笑う娘。お、お父さんだよ、思い出して。。                                                                                      (2023年12月4日 文責:原田 大士)