【消費者被害と中小企業編】健康食品と薬機法、そして景品表示法

消費者保護法の代表的な法律は「消費者契約法」「特定商取引法」「割賦販売法」の3法だという説明をしてきました。

これらの法律は、契約それ自体の効力に影響を与えます。実はそれ以外に、契約の効力に影響を与えないものの、消費者を守るため、行政指導されたり、措置命令が出されたり、場合によっては刑事罰を受けるため、大きな影響を及ぼすものがあります。

今日は、「健康食品」を題材に、その代表例である薬機法と景品表示法のお話をします。

 

現在の日本では、医薬品の認可を受けることなく、医薬品のような効果効能などを表示することが薬機法で禁止されています。「効果効能」というのは、その商品によって病気が予防できたり、改善できたり、そのような「プラス」の効果のことを言います。医薬品の認可を取るのはとても大変なので、健康食品業者は、各種通達や過去の摘発事例を参考に、独自の広告表現を開発していきました。よく見る「※個人の感想です。効果を保証するものではありません」というテロップなどがその典型例です。

 

ただ、薬機法に気をつけていたとしても、全体から見て、その商品が「これはとっても良い 品質(規格、内容)だ!」と 消費者に思わせておいて、実際にはそうではない表示をすることは、景品表示法に違反します。しかも、「不実証広告規制」といって、「表示された効果、性能と提出資料によって実証された内容が適切に対応していること」を、事業者が原則として15日以内に主張立証していく必要があります。

 

先日、ペットサプリの案件で、(薬機法違反とまでは断言できないものの)白内障に効果があるように見せて、しかしながらその合理的な証拠が提出されないとして、消費者庁・公正取引委員会から摘発された事例がありました。

 

広告の規制は大変です。ぜひ弁護士のアドバイスを受けていただくことをおすすめします。

 

週末のお出かけ日記

暑いですね。週末のおでかけを控えて、家でテレビばかり見ています。最近は、娘と「となりのトトロ」をよく見ています。約20年振りにトトロを見ると、新たな発見がいっぱい。トトロがおばけだということや、それぞれの表情、どんぐりの位置付けなど、「はー、なるほど」と言いながら見ていると、娘から「ちちうるさい!見てるんだから!」と言われてしまいました・・・。私は邪魔せず娘の様子を見守りたいと思います。                      (2023年7月18日 文責:杉浦智彦)