実録・労働審判

最近の取扱い事件の傾向として、労働事件が増えているなという印象があります。コロナ禍がひと段落したこともあり、社会が動き出すのに合わせて労働事件が増加しているのかもしれません。

 

その中でも特に、労働審判となるケースが多いように思われます。

 

労働審判は、簡易迅速かつ柔軟に労働問題を解決するためのもので、裁判所で行われるものの、裁判とはまた違った制度です。非公開の場で、裁判官及び審判員という方々の指揮の下、審理が行われます。

 

特徴は、基本的に3回以内で終わることと、和解での決着を第一に進められることです。そのため、正面から主張をぶつけ合うというよりは、双方の主張を踏まえて妥当な落としどころを探っていく手続という趣が強いです。

もちろん、和解で終わらなければ裁判所による一方的な判断が示されますが、近年の実績でいえば、7割近くが和解によって解決しております。

 

会社で労務問題を扱っている方々であれば、労働審判についてご存知の方も多いと思います。しかし、労働審判がどのように始まるのか、初動での注意点は何か、会社関係者として審判期日はどのように対応すればよいのかといった具体的な部分についてまでご存知の方は、そう多くないのではないでしょうか。

 

そこで、次回以降から、実際に扱った事件をモデルに、労働審判の実際の動きや対応方法など、具体的な内情をご案内してまいります。

 

Atty’s  chat

先日、劇団四季のミュージカルを観劇してきました。「ノートルダムの鐘」という作品です。ヴィクトルユーゴーの小説を原作に、ディズニーが作成したアニメ作品を、更にミュージカルとしたものです。久しぶりの観劇だったので、生の迫力にとても感動しました。
平日のマチネだったのですが、余すところなく満席だったことにも驚きました。劇場等にも活気が戻ってきているようですね。                                                                                                              (2023年7月5日 文責:越田洋介)