財産開示手続に出頭しないとどうなるの?(摘発状況)

民事執行法が改正され、財産開示手続に出頭しなかったり、嘘を言ったりした場合は、刑事罰が科されることになりました。そして現在、全国各地で、「書類送検された」「逮捕された」「検察審査会で起訴相当の判断が出た」というニュースが取り沙汰されている状況です。

 

そこで、今回は、現状の摘発状況について(次回以降)説明いたします。

まず、財産開示手続というのは、債務者(開示義務者)が財産開示期日に裁判所に出頭し、債務者の財産状況を話してもらう手続になります。そして、これに出頭しなかったり嘘をついたりすると、刑罰が科されるようになりました。

現状の摘発状況ですが、私が確認する限り「嘘をついた」として摘発された事例はまだないようです。すべて、財産開示手続に出頭しないことを理由とした摘発になります。その理由は、まず、嘘をついているということは証明しにくい一方、出頭しないというのは証拠が比較的明らかということがあります。そのため、不出頭の場合は、警察も比較的かんたんに被害届・告発を受理してくれます。

 

現状の摘発状況については、公式のデータはまだ出ていないようです。あくまで報道ベースですが、2020年10月20日に、神奈川県松田警察署が全国初の書類送検案件を取り扱っています。その後、2021年11月に岐阜県警で逮捕事例も出て、神奈川県でも、2022年2月9日に、借りた60万円のうち55万円を返さないために申し出た財産開示手続に出頭せず、音信不通になった案件で債務者が逮捕されています。

 

また、今年の8月には、書類送検後に嫌疑不十分で一度不起訴になった不出頭者について、検察審査会が、「起訴相当」の意見を出し、不起訴を許さないという判断もしているところです。

 

最終的な刑罰は罰金等が多そうですが、それでも債権回収という点でとても有用な制度になっていると感じております。

 

週末のお出かけ日記

最近、娘(2歳)が一緒にお風呂に入ってくれません。風呂場に連行しようとすると、「おかあさんと入るぅー」と泣き叫ぶという状況が続いていました。そんな中、先日、ドラッグストアで子供用の泡風呂を購入してみました。泡を立てるために風呂場にシャワーを向ける遊びにも、娘は大満足なご様子。喜ぶ娘の姿に安心して風呂に入れようとすると、娘は突然、「おかあさんと入るぅー」と泣き叫び、結局私は風呂に入れず、妻にその地位を引き継ぐことになりました・・・。

(2022年10月11日 文責:杉浦智彦)