財産開示手続に出頭しないとどうなるの?
これまでの回でも簡単に触れておりましたが、民事執行法が改正され、財産開示手続に出頭しなかったり、嘘を言ったりした場合は、刑事罰が科されることになりました。そして現在、全国各地で、「書類送検された」「逮捕された」「検察審査会で起訴相当の判断が出た」というニュースが取り沙汰されている状況です。
そこで、今回は、財産開示手続について改めて解説(今回)と、現状の摘発状況について(次回以降)説明いたします。
まず、財産開示手続というのは、債務者(開示義務者)が財産開示期日に裁判所に出頭し、債務者の財産状況を話してもらう手続になります。そして、これに出頭しなかったり嘘をついたりすると、刑罰が科されるようになりました。
この財産開示手続をするためには、いくつか要件があります。
まずひとつが、勝訴判決の判決文など、強制執行を適法に行うための紙(「債務名義」と呼ばれます)が必要になります。また、原則として、申立ての半年前までに、強制執行に失敗していることも必要になります。(その他細かい条件はありますが)このような条件を揃えて、裁判所に、財産開示手続きの申立てをしていくことになります。
裁判所は、要件が揃っていることを確認し、債務者に特別送達郵便で財産開示の裁判(非公開)の日程を通知しますので、その連絡が通知された事実は明らかになります。そして債務者は、正当な理由なく出頭しなかったり、嘘をついた場合は処罰されるようになりました。刑罰の重さは、6ヶ月以下の懲役刑または50万円以下の罰金刑となります。
刑罰自体、そこまで重いものではないのですが、警察を動かすことができるようになり、支払いに向けた大きなプレッシャーになる制度だといえるでしょう。
次回に続きます。
週末のお出かけ日記
最近、娘の寝相が悪く、ベッドから追い出されてしまい、床にニトリのシングルマットレスを敷いて一人で寝る生活になっています。ただ、夜中に目覚めてしまい、少し仕事をしてから再入眠するというリズムになっていました。これだとどうにも疲れが取れません。先日、藁にもすがる思いで、数万円する西川ふとんの高級マットレスを購入しました。やはり、高いマットレスということだけあり、よく眠れるようになりました。しかしながら、夜中に目覚めた娘がマットレスに入ってくるようになり、今度は狭さで眠れません。 (2022年8月29日 文責:杉浦 智彦)
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