団体交渉への対応④

これまで、団体交渉、特に団体交渉の申入があった場面をテーマにしてお話をしてきました。

一番重要なのはやはり「誠実交渉義務」で、会社はしっかりと交渉に臨む必要があるということをご理解いただけたかと思います。

一方、これまでお読みいただいた方の中には、団交において会社は分が悪いのだなと、暗い気持ちになられた方もいるかもしれません。確かに、会社は誠実交渉義務を負っているため、軽率な対応ができないのは事実です。もっとも、同義務に反しないかぎりは、会社としても毅然とした対応をすべきともいえます。

 

特に、何を団交の議題にするかについては、会社側からも積極的に折衝すべきといえます。なぜなら、どのような事項(労組からの要求)でも誠実交渉義務を負うわけではなく、労働者の労働条件や待遇等と関連のない事項に関しては同義務の範囲外となり、そもそも団交の議題としないという対応も可能だからです。

例えば、「○○の手続に不手際があった。原因の説明と会社としての謝罪を要求する」なんて要求は、よくみられます。このような要求は、団交の議題にしなければいけない事項とは考えられませんから、少なくとも団交における対応は必須ではないでしょう。

 

もちろん、どのような要求であれ、会社が認めるのであれば団交の議題とすることは可能ですし、会社側の誠意を見せるという意味でも、最初は広く労組からの要求について議題とするという対応は一つの考えです。

 

しかし、得てして労組の要求はエスカレートするものです。労組からの要求が過大となって会社側の負担となるようであれば、一定の要求については議題としないという対応も検討に値するでしょう。

 

Atty’s  chat

先日、「トップガン マーヴェリック」を観てきました。クセのない王道娯楽作といったテイストで十分に楽しめましたが、一番の驚きは主演トム・クルーズ。還暦を迎えたとは思えない若々しさと、内から漲る気力のようなものを感じます。私はまだトムの年齢の1/2強程度ですので、まだまだこれからだなと、勝手に元気をもらったものです。

 (2022年7月26日 文責:越田洋介)