団体交渉への対応③

引続き、団体交渉をテーマにしたお話です。

前回は、会社は誠実に団体交渉に応じなければいけないという「誠実交渉義務」を負っているが故に、団交の申入れがあった場合には拒否してはいけないというお話をしました。

 

では、申入書に書いてある労組側の要求に応じる必要はあるのでしょうか。

特に、労組側が一方的に指定してくる、団交の実施日時や場所などに関する要求については回答に悩むかもしれません。

 

しかし、これについては応じる必要はない、ということは前回お話したとおりです。

会社が負っているのはあくまでも、誠実に交渉(話合い)をしなければいけない義務であって、労組側の要求に応じる義務ではありません。

指定の日時では都合がつかないことを説明した上で、改めて日程調整を申し出るべきです。また、場所を労組側の建物の一室などを指定してきた場合には、中立な場所で実施すべきとして、貸会議室などでの実施を申し入れるとよいでしょう。

 

他によくある要求が「○○(例:社長)を同席させよ」というものですが、これにも応じる必要はありません。そのような要求に応じる義務はなく、仮に出席させなくとも誠実交渉義務に反するとはみなされません。

 

もっとも、全く事情も知らず、何らの権限も有しないような従業員だけを出席させたのでは、義務違反とされるおそれはあります。

ここは、然るべき知識と権限を有する方が出席すべきでしょう。

 

Atty’s  chat

日曜日に、山梨県は富士吉田で開催された自転車イベントに参加してきました。

富士山の麓から五合目まで続く、全長24km、標高差1200mの「スバルライン」を自転車で一気に駆け上るという、国内屈指のヒルクライムイベントです。

当日は全国から8000人ほどの参加者が集まり、大いに盛り上がりました。

今年は様々な大会に参加していきたいと思っており、次は群馬県は赤城山でのレースに向けて、トレーニングに勤しんでいます。                                                                                                         (2022年6月14日 文責:越田洋介)