第4回 従業員のセクハラを放置していないか?

通称「パワハラ防止法」の改正により、世の中ではパワハラへの注目が集まっています。

もっとも、それより以前に「セクハラ」についても、当然ながらそれを防止すべきという法律が存在しています。

セクハラ防止を定めているのは、通称「男女雇用機会均等法」と言われている法律です。※なお正式名称は「雇用の分野における男女の均等な機会及び待遇の確保等に関する法律」といいます…パワハラ防止法と同じく、正式名称はとても長く分かり辛いですね。。)

この男女雇用機会均等法では、会社が、セクハラを防止する措置をとらなければならないことが記載されております。

 

パワハラの際と同じく、例えば「セクハラを行ってはならないことを従業員に周知する」「相談窓口を作っておく」「セクハラと思われるケースが発生した場合は速やかに調査すること」「セクハラが発生してしまった場合に再発防止策をとること」などにより、会社としてもセクハラを防止するための対策を講じておく必要があるのですね。

もし会社がこれらの措置を講じておらず、さらには「従業員同士の問題だから放っておく」「被害者に辞めてもらうよう誘導する」などの対応をとってしまった場合、会社が種々の責任を負う可能性が出てきます。

 

具体的には、国からの行政指導、企業名の公表、さらには会社が被害者に直接損害賠償責任を負うなどの可能性もあります。

セクハラは、パワハラに遭った場合よりもさらに会社に相談し辛いという従業員も多いかと思います。

会社としても、パワハラのみならずセクハラについてもいつでも相談してもらえるような体制作りをしておくことがとても重要ですね。

 

弁護士の徒然草

パワハラなどと同じく、一昔前の映画、ドラマ、アニメなどを見ると、平気でセクハラが横行していたような描写が多く登場するように思います。
例えば会社の社長や上司が、女性従業員の肩を揉んだり臀部を触ったりといった場面は多かったですよね。
このあたりは当然セクハラですし、ましてや身体を触るなどの行為なんて、痴漢や強制わいせつなどの刑事事件に発展しても全くおかしくないですね。。
最近は、こういった「今の世の中ではとても許されないような場面」を見ることにより、逆に、「一昔前と今の世の中の違い」を再認識出来る良い機会だなと捉えています!                                           (2022年5月30日 文責:佐山洸二郎)