債権回収編 【「譲渡担保」でお金を回収する方法3】

前回、譲渡担保(モノや権利を売ったことにし、返済が終わったら買い戻せるという担保)をつけておいて、なおかつ契約書で実行方法を明記しておけば、勝手に売って換金して清算できる話をさせていただきました。

 

しかしながら、債務者が倒産(破産・民事再生・会社更生など)した場合は、少し話が変わってきます。今回は、前回の続きで、民事再生の場合について解説をします。

 

前回お伝えしていたように、「倒産したときに備えて担保に取っておこう」いう意図で譲渡担保を取得しているので、倒産手続でも他の債権と比べて優先されています。民事再生法でも、「倒産手続きから特別に除外された権利」を略して「別除権」と呼ばれています。別除権は倒産手続にかかわらず自由に実行(=売却・換金)できます。

 

しかしながら、「存在する財産を公平に債権者に分ける」という破産とは異なり、民事再生は、「破産よりマシな条件で債権者に犠牲になってもらい、会社を生きながらせる」という制度です。譲渡担保に入っている財産や債権は、その債務者にとって大切なもの(主要製品の製造機械など)で、これが勝手に売却されると会社の再生が困難であることが多いです。そのため民事再生法は、「担保権消滅許可制度」という制度を用意しています。これは、事業継続に欠くことができないものの場合、債務者は、裁判所の許可を得て、担保物の時価相当額を裁判所に納めることで担保権を消滅させることができます。提示された時価相当額を争う(争う場合は、鑑定する人の報酬額などのコストを裁判所に予納しなければなりません)ほかは、担保権者は、その金額で優先弁済を受ける形で納得せざるを得なくなります。

次回は、さらに会社を蘇らせる方向にシフトした会社更生の際の取り扱いの話をします。

 

週末のおでかけ日記

日曜日は、天気があまりよくなかったため、娘を連れて、ワールドポーターズの「アニタッチ」という室内で動物と触れ合える施設に遊びに行ってきました。

娘は、カピバラ、ワオキツネザル、ひよこ、モルモット、うさぎといった動物を触りましたが、どうもうさぎが一番のお気に入りのようでした。何度も一人でうさぎのゾーンまで歩いていって触っていました。親としてもただ触らせるのも申し訳ないと思い、200円で餌を買ってうさぎにあげたのですが、娘はこれも気に入り、「もう一回!」と何度も餌を買うように申し向けられました。人が多かったですが、良い施設でした。みなさまもぜひ行ってみてください。

(2022年4月4日 文責:杉浦智彦)