未払い残業代とは?(6)

先日、未払い残業代に関する「労働審判」に参加してきましたので、解説していきます。

 

未払残業代について(元)従業員と争いになった場合の解決方法として、労働審判という手続きがあります。

これは、裁判所で行う手続きですが、1年以上かかることもある訴訟とは違い、原則3回以内の期日(3~4カ月程度)でまとめる制度ですので、簡易迅速な制度といえます。

 

他にも、裁判官1名のほかに労働審判員2名がいることや、審理は裁判所内の一室でテーブルを囲んで、会社側と(元)従業員側とが顔を突き合わせてお互いに主張をするなど通常の訴訟とは違う方式をとっています。

数の力ではないですが、会社側は代表者だけでなく、その従業員の直属の上司や労務担当者などの同席も求めることができます(裁判所が認めるかどうかは別ですが。)。

 

簡易迅速を売りにしていますので、通常の訴訟のようにお互いの主張や証拠を出し尽くして、精査する、というわけではありません。

そのため、裁判所の決定である「審判」に対しても不服があれば、2週間以内に異議を出すことができます。その場合は通常の訴訟に移行します。

 

労働審判の場合は、期日が3回以内ということもあり、実質1回目の期日が勝負所ですので、訴えられた側の会社としては、1回目の期日までに主張と証拠を整理して臨まなければなりません。その際には弁護士へ早期にご相談されることをお勧めいたします。

 

日々の雑感

数頭の虎がお互いの尻尾に噛みつき、輪になってぐるぐる回ると最終的にバターになる、というとなんのこっちゃという感じですが、「ちびくろサンボ」という絵本のオチの部分です。
今年が寅年なので、絵のうまい友人が年賀状でこれの絵を書いてきたのですが、すぐにピンときた私に対し、妻はまったく意味がわからないと言います。
調べてみると「ちびくろサンボ」は1988年に一度絶版になり、2005年には復刊したらしいのですが、この間にジェネレーションギャップがあるようです。
ともあれ、子ども心に受けた衝撃の展開は、次の世代に引き継がなければなりませんので、早速アマゾンで購入し、娘に読み聞かせるのでした。

  (2022年2月8日 文責:下田和宏)