第1回 取引先から渡された契約書にそのままサインしていないか?

今回からは、トラブルの「事前防止」のために日頃からどのような対策が出来るのかというお話をさせていただきます。

 

まず第1回は、契約書についてです。

相手方と取引をする際は、「契約書」を作成しますね。

例えば「業務委託契約書」「取引基本契約書」「売買契約書」「秘密保持契約書」などが代表例かと思います。

 

実はこういった契約書ですが、細かい記載一つで、内容がガラっと変わってしまうということがよくあります。

例えば、「輸送中に製品が破損した場合、どちらが損害を負担するか」という条項については、なかなか細かくチェックできない場合も多いと思います。

 

ただ、この部分の書き方一つでどちらが損害を負担するか、結果が180度変わってしまうということもあります。

そして、例えば取引先から渡された契約書や、雛形をそのまま使った契約書だと、知らず知らずのうちに自分側が一方的に責任を負う内容になってしまっていることもあるのですね。

その他シンプルな条項でも「取引の価格」「取引の範囲」「取引の期間」「契約書自体の効力期間」「秘密情報の取扱い」など、明確に記載しておかないと後々のトラブルに発展してしまう可能性があります。

「契約書を厳格に作ると取引先を信用していないようで気が引ける…」という気持ちが湧いてしまうこともあります。

 

ただ、契約書の内容をしっかり話し合うことは「双方意識していなかったトラブルの種を事前に摘むことが出来る」というプラスの意味も強いです。取引先から契約書を渡されたらまずは顧問弁護士に確認してもらう、という点を是非習慣にしていただければと思います!

 

弁護士の徒然草

気が付いたら年の瀬です。皆様、今年も1年間、誠にありがとうございました。来年も、何卒、よろしくお願いいたします。私はもともとインドア派なこともあり、特に遠出をすることなく家でのんびり過ごす予定でございます。そして、いつも年末には…「今年の年末年始は、普段なかなか読めないあの法律書とこの法律書を読んだ上で、あの分野もマスターする!」と欲張りな目標を立てるのですが、いつも達成率は25%程度で終わるのでした。。

                                                                                                             (2021年12月28日 文責:佐山洸二郎)