知らないと怖い「個人情報」取扱ルール(2)
今回は、前回お話した「個人情報」の取扱いのルールについて見ていきたいと思います。
個人情報の取扱いのルールは、個人情報保護法で、大きく分けると5つに分類されて定められています。
まず一つ目のルールは「個人情報を取得する目的を特定し、かつ書面で個人情報を取得する場合はその目的をしっかり知らせること」です。
各種予約・申込の際などに、氏名や住所といった「ザ・個人情報」と言った情報を記入してもらうことも多いと思います。ですので、個人情報保護法をしっかり守るためには、書面に、例えば「ご記入いただいた情報は顧客管理・商品送付のみに使用します。」といった形で「目的を事前に知らせること」が必要になります。
二つ目のルールは、「利用目的の範囲内で使用すること」です。
当たり前といえば当たり前なのですが、例えば「顧客管理のみに使用します」として取得した個人情報の住所宛てにパンフレットやメールマガジンを送付するのも厳密に考えると不適切ですね。ですので、送付の予定がある場合は、例えば「顧客管理・パンフレット送付のみに使用します」と記載するのが模範的対応です。
次に三つ目のルールは、「しっかり管理する体制を整えること」です。
これも当たり前と言えば当たり前なのですが、例えば従業員がお客様に勝手に連絡をとってしまったり、顧客名簿をうっかり紛失してしまったりすれば、大変な問題となります。そのため、例えば「従業員に個人情報取扱の教育を行うこと」「顧客名簿を紙で管理する場合は持ち出し禁止にした上で施錠管理すること」「パソコンにセキュリティソフトを入れること」など、当たり前の管理をしっかり積み重ねておくことが重要なのですね。
次回最終回では、残り二つのルールと、仮に違反してしまった場合にはどうなってしまうのかについてお話させていただければと思います!
弁護士の徒然草
ついに、大部分の地域で出されていた緊急事態宣言が解除になりました。
このコロナ禍では、コロナ禍特有の暗い相談も少なくありませんでしたが、解除後に向けて明るい相談が増えてきたように思い、とても嬉しく思っています。
ただ、油断すればすぐに「第6波」が来襲しそうな気配も。。
明るい相談や話題が増えて喜ぶ一方、第6波を招かないためにも、引き続き細心の衛生対策を行っていかなければなと思う今日この頃です。 (2021年10月4日 文責:佐山 洸二郎)
- 【下請・フリーランス新法】「買いたたき」とならないようにするための協議とは
- 退職に関するトラブルについて(9)
- 管理監督者をめぐる問題④
- 外国人雇用の法務(14)
- 【労働裁判例を知り、会社を守る!】第4回 同一の労働には同一の賃金を?
- 【下請・フリーランス新法】価格交渉をしないだけで「買いたたき」??
- 退職に関するトラブルについて(8)
- 管理監督者をめぐる問題③
- 外国人雇用の法務(13)
- 【労働裁判例を知り、会社を守る!】第3回 社内のセクハラを放置すると会社にも責任が生ずる?
- 【下請・フリーランス新法】フリーランス新法と下請法の違いとは②
- 退職に関するトラブルについて(7)
- 管理監督者をめぐる問題②
- 外国人雇用の法務(12)
- 【労働裁判例を知り、会社を守る!】第2回 痴漢で罰せられた従業員でも解雇は出来ない?
- 【下請・フリーランス新法】フリーランス新法と下請法の違いとは①
- 退職に関するトラブルについて(6)
- 管理監督者をめぐる問題
- 外国人雇用の法務(11)
- 【労働裁判例を知り、会社を守る!】第1回 準備時間も労働時間?
- 【下請・フリーランス新法】フリーランス新法が適用される「特定受託事業者」とは?
- 退職に関するトラブルについて(5)
- 助成金に関する問題④
- 外国人雇用の法務(10)
- 産業医とは?
- 【下請・フリーランス新法】フリーランス新法は「保護法」ではない!
- 退職に関するトラブルについて(4)
- 助成金に関する問題③
- 外国人雇用の法務(9)
- 傷病手当とは?