民法改正が企業経営に与える影響                    第12回 インターネットで買い物をする際の「定型約款」?

近年は、インターネット上で買い物をするのはもはや当たり前になってきています。買い物だけでなく、例えばインターネット上で新幹線、旅行や宅配便の予約など、様々な取引がなされている世の中になってきています。

 

その際…必ず皆様も目にしたことがあると思うのですが、「利用規約」「約款」など、やたらに長文で小さな文字で書かれた文章がありますよね。そして、「同意します」のチェックボックスにチェックを入れないと先に進めない仕組みになっています。

 

この、細かくて長い「利用規約」「約款」ですが、果たしてどれほどの皆様が、内容をしっかり読んでから「同意します」にチェックを入れていますでしょうか?

 

「よく読まないで規約に同意する」という行為は、よくよく考えてみるとかなり危険な行為です。
悪質な業者がそこに目をつけて、「どうせ読まれないから一方的に有利な条件にしてやろう」と考えてもおかしくないですよね。しかも、これまでの民法では、こういった取引を規制するルールが無かったのです。

 

そこで今回の民法改正では、インターネット上での買い物や各種申込などの一定の取引では、業者側が「定型約款(ある程度型どおりのルール)を作って申込者に示さなければならない」「その定型約款には一方的に有利なルールを定めてはならない」というルールが追加されたのですね。

 

これにより、一般消費者の立場では、知らないうちに一方的に不利な条件で契約をさせられていたという事態が防げることになったのです。逆に事業者の皆様は、しっかり定型約款を作成した上でルールを守る必要があります。
なおこの「定型約款」ルールの対象となる取引ですが、上記のようなインターネット取引の他には、電気供給契約、保険契約、消費者ローン契約、インターネットバンキング、宿泊契約などがあると言われています。

 

弁護士の徒然草

近頃、よく料理動画を見ています。インターネット上にも、本当に沢山の料理動画が溢れる時代になりました。それらの動画をただただBGMのように流しているだけで色々な発見があります。最近は、レシピが知りたいというよりは、料理人のなにげない手付から「この野菜はこういう風に切る方法もあるのか!」「なるほど、こういう洗い方があるのか」「あれ、この味付けはこのタイミングでするのだな」などと、料理の基本テクニック目当てで動画を流しています。それにしても、まさか自分が、「上沼恵美子のおしゃべりクッキング」を毎日ワクワクしながら見る日が来るとは思いませんでした(笑) 

                                    (2021年6月14日 文責:佐山 洸二郎)