債権回収編 支払い先送りオプション
今日は、少しだけ悪どい話をします。後払いの取引の際、「支払いを引き伸ばす」という選択がどのくらい取れるのかという話です。
日本は、割と後払いであっても、信用重視で、期限通りに払ってもらえることが多いです。一方で、諸外国だと、代金後払いにすると、なにかと理由をつけて代金の支払いを引き伸ばしてくることのほうが多いと言われています。なぜ諸外国では、(信用を傷つけてまで)引き伸ばしをしようとするのでしょうか?
「商品を仕入れて販売する」という一般的な商売は、仕入れのために現金を支出し、それを売掛金回収によって現金を得るというサイクルで成り立っています。仕入れの現金支出を遅らせると、このサイクルを短くすることができ、資金効率がよくなります。Appleという会社は、さらに、仕入れの買掛金の支払いを、売掛金回収のあとのタイミングまで先延ばしにし、圧倒的な資金力を得たと言われています。
支払いを遅らせると刑罰を受けたりするのではないかという不安もあるかと思いますが、実は、単に支払いを怠った事例では詐欺罪になることは考えにくいです。下請法に違反することはありますが、なにか理由をつけて支払いをしないとなれば、監督官庁もなかなか動けません。法律的なリスクは、損害賠償が中心となるのですが、遅延損害金くらいなので、ここも大きな問題ではないわけです。
そんなわけで、デメリットは取引先の信用を失うことが中心になります。諸外国だと「支払いを後払いにすることを約束したほうが悪い」という思想のようで、割とドライにその後も(取引の内容が良ければ)関係が続くことも多いようです。ただ日本は、約束を重視しますので、一度遅れたりすると、信用を失って、取引自体ができなくなることがほとんどです。
結論ですが、日本だと、支払いを引き伸ばすという選択は、「別にこの取引先の関係は終わってもいい」くらいのときしか使わないほうがいいでしょう。
週末のおでかけ日記
横浜市も、まん延防止等重点措置が続いています。みんな我慢の限界なのか、野毛エリアでは、ぽつぽつとお酒の提供をしている店舗が増え始めました。一方で、通常営業をせず、工夫をしてテイクアウトに力を入れている店も増えています。最近は、「ビストロ アンクール」というお店のテイクアウト(二人前3,000円)にハマっており、よく購入して妻と一緒にいただいています。コロナは大変ですが、テイクアウトが充実すると、幼い娘がいて外食できない私にとっては、ありがたく感じたりします。 (2021年6月7日 文責:杉浦智彦)
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