会社で写真を用いることのメリット・注意点(2)

今回は、会社のホームページやSNSなどで写真を用いる際の注意点を、著作権法の観点からお話致します。

会社内の関係者ではない他人が撮影した写真を、ネットで挙げることに問題がないかをご説明致します。

前回私は、写真には著作権が発生しやすいと申し上げました。

これを逆に言えば、第三者の写真のデータをダウンロードして、無断にこれをネットで挙げれば、著作権侵害になってしまう可能性が、とても高いということになります。

 

例えば、ネットには素敵な写真の画像がいっぱい挙がっています。それを、自身のウェブサイトで、挿絵やイメージアップの材料として使いたいと思うことって、かなりあると思います。

しかし、それを実際にやってしまうことは、基本的にはアウトなのです。

ですから、ネット上の写真を安全に使いたいという方のために、現在では様々なサービスがあります。

検索エンジンで「無料 写真」などと検索すると、無料で写真素材を提供するサイトがたくさん出てきます。また、質の高い写真を、有料会員制などで、提供し、自由に使わせてくれるというサイトもあります。

 

これらのサイトは、サイトの運営会社が、写真の権利を持っている人と話をつけ、自由な利用を確保して、我々に利用のサービスを提供しているのです。

ただ、これらのサイトでも、写真の使い方を限定していたり、会員登録が許諾に必要になっていたり、一定の条件を守って使うことが求められていることが多いので、その点は十分お気を付け下さい!

 

好事家弁護士のつぶやき

ある夜のこと、近所を散歩していると、桜木町の高架の窪みに、大きな月がうっすら光って映し出されているのを発見しました。その隣の窪みでは、月の写真をいくつもあしらったボックスライトが、煌々と立っています。それは、現代アートの作品だったのです!そして、その場に、企画者で現代美術家の渡辺篤さんがいらしたので、お話をさせて頂きました。
作品を産み出したプロジェクトの名前は、『同じ月を見た日』。コロナ禍の中で、「現在孤立感を感じている人」という条件でメンバーを募集し、そのメンバーに月の写真を撮ってもらい、渡辺さんの撮った写真と組み合わせて、一つの作品を創り出すというプロジェクトなのだそうです。景色に横浜の洋館が映っていたり、クレーターまでくっきり撮れていたり、とても楽しいです。
今回、渡辺さんは写真の著作権に配慮され、メンバー撮影の写真だけをお使いになり、メンバーには、作品の趣旨をご説明し、お礼をするなどして、写真を使用する了解を得ているとのことです。作品の脱個人化を指向され、作品に結び付いた協力者や当事者の権利を置き去りにしないという制作哲学を伺いました。
かくいうこのコラムも、渡辺さんの了解を頂いています。ありがとうございます!     (2021年3月22日 文責:原田大士)