債権回収編 法律が変わり財産を発見しやすくなる?
新型コロナウイルス感染症の影響で、各社の売上が下がり、債権回収も困難になっているという事例を聞きます。
そこで、今号からは、改めて債権回収のお話ができればと思います。本号では、最近改正された「民事執行法」のお話をします。
実はこれまで、訴訟をして、勝訴判決を得たとしても、そのあと、債務者の財産を別途見つけなければ、強制執行さえできませんでした。その財産調査制度として、「財産開示手続」というものもあったのですが、債務者に聞くだけの制度で、債務者がその開示に拒否しても最大30万円の過料(制裁金)に過ぎず、全くといっていいほど使えないものでした。
しかしながら、今年の4月から民事執行法が変わりました。
たとえば、登記所に対して不動産の情報の開示を求められるようになったり、銀行や証券会社に対して預貯金や株式の保有状況の開示を求められるようになったり、(一定の請求権に限定されますが)市町村や厚生年金保険の実施機関に対して現在の給与情報の開示を求められるようになったりしました。
それによって、財産を隠しているような債務者に対しては、裁判を通した債権回収がしやすくなったといえるでしょう。
ただ、現在の債権回収の事情として多いのが、財産を隠しているわけでもなく、シンプルにお金がないという事例です。
このような場合は、「支払いの優先順位を高めて、優先的に払ってもらうようにする。」というのが最大の手段になります。
これから、法制度にのっとった債権回収の方法や、優先順位を高める方法を、解説していければと思います。
週末のおでかけ日記
先週末は、給料日近くというのもあり、近所にある「梅林」という日本料理店で、夫婦それぞれのご両親とともにランチに行きました。大変おいしくいただきました。
ところでこのお店、大きな鮫皮でわさびを下ろしてくれる様子を見せてくれるのですが、いわゆる「鮫革」って、エイの革が多いそうですね。お店でそのことを伺って、Wikipediaで確認してみると、そのとおりの記載がありました。
ただ、自宅で鮫皮を使うことも、ましてやわさびを下ろすこともないため、この教養が使われることは、もうしばらくなさそうです。 (2020年9月7日 文責:杉浦 智彦)
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