実録・団体交渉(4)
事業所の一部閉鎖に伴い、当該事業所の従業員が労働組合を作って団交を求めてきた」という事案をについて解説しています。
前回まで、団体交渉には、法律的な理論武装だけでなく、戦略的な対応も必要というお話をしました。本件の争点は、「事業所の閉鎖」ですから、法律的には怖くありませんが、これをきっかけに、組合加入者が増え、固定化すると、意味もなく紛争が拡大します。もちろん、労働組合自体を否定するつもりはありません。ただ、時代錯誤的な組合があるのも事実です。会社がどんなに苦しい時でも原理原則を唱え、「法律を守れない会社なら倒産すべき」と言ってしまうような組合もあります。あとは、憲法などの政治的主張を繰り広げるとか・・・。
いずれにせよ、今回のケースでも、社内規定に従い、不当労働行為にならない範囲で、組合の宣伝活動を制限し、結成時の組合員から規模が大きくなることはありませんでした。むしろ、伝え聞いた情報をまとめてみると、ビラを作成したり、勧誘していたのは一人で、実質的な発起人が一人で頑張っているような状態ということが分かったのです。
言い方は悪いですが、モチベーションが低い組合ほど楽なものはありません。一人でできることは限られますし、なんの進展もないまま時間が経って、意味もなく組合費だけ徴収され続けると、ただ付いてきただけの組合員は不満がたまり、勝手に求心力が落ちていくからです。会社としては、焦らず、事実関係の調査や日程調整などで、充分に時間や手間をかけ、また、相手にもかけさせて、じっくりと交渉していけば問題ありません。
さて、こうして一度目の団体交渉に至るわけですが、団体交渉には、基本的な進め方があります。
①日時場所、②人数、③議題について、事前のすり合わせを行うのですが、ここを誤ると泥沼の団体交渉になってしまうのです。
先に結論だけ書けば、①日時場所については1時間30分~2時間程度の「貸し会議室」、②人数は、労使双方同数でせいぜい4~5人、③議題については、あらかじめ書面ですり合わせる、というのが会社としてのベーシックな提案になります。
これらの理由と、組合に拒否された場合の妥協案について、次回に続きます。
グルメ弁護士のつぶやき
石﨑、焼肉屋始めたってよ。なんて冗談言っていたら、オープンした途端にコロナのやつが来まして、笑っている場合ではありませんでした。3月、4月歓送迎会シーズンが全滅でしたからね。。。。ただ、居酒屋と違って、焼肉店は比較的ダメージが小さかったと言われており、うちも厳しいなりによくやったかなという感じです。新丸子駅徒歩5分(武蔵小杉駅からも15分)「新丸子ホルモンマニア」宜しくお願い致します! (2020年6月23日 文責:石﨑冬貴)
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