民法改正が企業経営に与える影響 第3回 「保証」が簡単に出来なくなる?(2)

 前回は「保証」をする際には「公正証書」というややこしい書類を作らなければならなくなるというお話をしました。 では、企業が銀行などから融資を受ける際に、その経営者が連帯保証をする場合はどうなるのでしょうか?

現状は、企業が融資を受ける際はその経営者が連帯保証をするというのが実務上定着したやり方になっているかと思います。

 今回の民法改正により、こういった場合でも公正証書を作成しなければならないのでしょうか?そうだとすれば、かなり面倒な手続が必要になってしまうことになります。。

 

 結論としては…この場合はこれまで同様、公正証書を作成する必要はないのです。改正民法案を考えた立法府も、このよ うなケースはしっかり想定しているのですね。

 改正民法の条文を見てみると…企業が銀行から融資を受ける際の連帯保証人が「理事、取締役、執行役、これに準ずる者、過半数議決権を有する株主」の場合は、改正民法の原則である公正証書作成が不要だと規定させています。

…非常に分かり辛いですね。(「これに準ずる者」などと曖昧なことを言われても困ってしまいます。)

経営者の皆様の多くは、会社の「代表取締役」でいらっしゃると思いますので、上記の「取締役」にあてはまります。結果、公正証書作成は不要になるのです。

 

 少しややこしい話が続きましたが、第2回と今回のお話を要約すると…「保証をする場合公正証書の作成が必要になるが、企業が融資を受ける際に経営者が連帯保証をする際は、これまで同様に公正証書までは不要であることが多い」ということになります。

※改正民法が施行されるのは、原則として2020年4月からとなります。

 

弁護士の徒然草

マスクの季節です。風邪をひいて皆様に迷惑をかけては大変だとビクビクしながら、外出時はだいたいマスクをしています。皆様もマスクをしている方は多いと思いますが、普段どれくらいの頻度で取り換えていますか?基本的には毎日1枚新しいものを使うべきと言われていますが、医師の先生などは、職業柄一日に4~5枚も使う方もいるそうです。私の場合も一応基本に従って毎日1枚にしていますが、学生時代などは無知及び不精から2日以上連続で使ってしまったりしていました。…今思うと相当に無謀な馬鹿者ですね。。                     (2020年1月27日 文責:佐山 洸二郎)