民法改正が企業経営に与える影響 第2回 「保証」が簡単に出来なくなる?(1)

「保証」は皆様ご存知かと思います。例えば誰かが金銭の借り入れを行う際などに、仮にその人がお金を返せなかった場合などに肩代わりして返すという約束をいいます。

 

   ただ、この「保証」の約束をうかつにしてしまうと、その後の人生が大変なことになり兼ねないのです。。
これまでよくあったのが、次のようなケースです。親友やお世話になった人から「書類にサインするだけで良い。必ず自分で返済するし、君には迷惑をかけないから…」と、「連帯保証」を頼まれる。ただ、その人はその後諸事情により行方をくらますか、破産などをしてしまい、返済が不可能となる。そうすると、書類にサインをしてしまった連帯保証人がその返済を全て肩代わりしなければならなくなる…。

 

 芸能人などで億単位の連帯保証をすることによって人生が狂ってしまうケースなども、よく耳にしますね。
 立法府がこのようなケースを見かねたのか、ついにこの点に関する民法改正がなされます。内容としては、事業用融資などの「保証」をするには、原則として「公正証書」が必要になったのです。この公正証書というのは、「公証役場」という公の機関で作成してもらう、契約書の一種になります。お互いの当事者(又はその代理人)が共に公証役場に赴き、公証人の前で読み合わせなどを行うことによって、ようやく公正証書が出来上がります。これにより、一般の方が「サイン一つ」で保証をしてしまうおそれが激減することになったのです。これで連帯保証に苦しむ方が減ることを期待したいものです!

 

ここで一つ疑問点が出てきます。会社が銀行から融資を受ける際に、経営者の皆様が保証をする場合の手続はどうなるのでしょうか…?次回はこの点をお話したいと思います。                               ※改正民法が施行されるのは、原則として2020年4月からとなります。

 

弁護士の徒然草

口内炎が、痛いです。私がよくなってしまうのは、物を噛んでいるときに間違って唇の内側を噛んでしまい、それが元となって炎症化してしまう口内炎です。調べてみると、一口に「口内炎」と言っても、約5種類(!)もあるのですね。ビタミンが足りないときにできる口内炎などが有名かと思いますが、私のように「物理的ダメージ」を原因とするものは「アフタ性口内炎」というらしいです。アフタ性…などと言われても「なんのこっちゃ」という感じですが、「口内炎も奥が深い世界なのだなぁ」などと感心してしまいました。
なお、事務所内でこの話をしたところ、冷静に「まあ、いいから早く病院に行った方が良いよ」と指摘されてしまいました。。次からそうします!                       (2019年11月11日 文責:佐山 洸二郎)