相続法が変わって事業承継はどうなる?(2)預金引き出し
Q)昨日父がなくなりました。父の経営していた会社の急務の資金のため、父の口座から100万円を急いで引き出す必要が出てきました。しかしながら、まだ相続人全員が集まっていません。どうしたらいいでしょうか。
相続法が大きく変わりました。その一つが「遺産分割前における預貯金の払い戻し制度」です。
遺言がない場合、預貯金は相続人全員の共有財産となり、勝手に引き出すことができませんでした。
ただ、それだとお金が引き出せず、亡くなられた方の預金などで生活している人が困るということがありました。
そのため、次の計算式のとおり、各相続人が単独で引き出しができるようになりました。なお、この引き出しには理由は問われません。
【相続開始時の残額】×1/3×【法定相続分の割合】※ただし、上限は150万円
仮に、あなたの家族構成が、ご両親と2人兄弟の場合、お父様が亡くなられたときの子供の法定相続分は1/4となります。相続開始時(なくなられたとき)の預金額が1200万円あれば、あなたは他の相続人と連絡がとれなくても、100万円を引き出すことができるのです。
ただ、この引き出しには、戸籍を揃えたりする必要があるので、事前準備は必須です。もしもの際の「ちょっとまえ」の段階で、弁護士に相談することを、ぜひ思い出していただければと思います。
週末のおでかけ日記
先週は仕事で遠方移動が続きました。木曜は千葉の八日市場へ、金曜日は福島市に行ってまいりました。さすがにちょっと疲れたので、福島市のはずれにある、土湯温泉というところの温泉旅館に一人で泊まってゆっくりしてきました。
初めての福島での宿泊でしたが、肌寒くなったこともあり、温泉が身にしみました。秋の温泉はやはりいいですね。
(2019年11月5日 文責:杉浦 智彦)
- 未払い残業代を請求されたらどうする?(1)
- 実録・団体交渉(8)
- 民法改正が企業経営に与える影響 第8回 「敷金」が民法に明記?
- 債権回収編 財産開示手続きを無視して書類送検?
- 実録・団体交渉(7)
- 賞与、退職金、各種手当は非正社員に支給しないで良いのか?
- 債権回収編 新制度1:金融機関からの情報取得手続1
- 実録・団体交渉(6)
- 民法改正が企業経営に与える影響 第7回 利息の割合が年5%から年3%に?
- 債権回収編
- 実録・団体交渉(5)
- 民法改正が企業経営に与える影響 第6回 不動産賃貸借と「賃料の支払先」
- 実録・団体交渉(4)
- 民法改正が企業経営に与える影響 第5回 売買契約の「不適合」?(2)
- 離婚問題の基礎(19)~コロナ離婚について~
- 事業引継ぎガイドラインが中小M&Aガイドラインに
- 民法改正が企業経営に与える影響 第4回 売買契約の「不適合」?(1)
- 離婚問題の基礎(18)~婚姻を継続し難い重大な事由~
- コロナショックの企業法務への影響
- 民法改正が企業経営に与える影響 第3回 「保証」が簡単に出来なくなる?(2)
- 相続法が変わって事業承継はどうなる?(3)
- 実録・団体交渉(3)
- 民法改正が企業経営に与える影響 第2回 「保証」が簡単に出来なくなる?(1)
- 相続法が変わって事業承継はどうなる?(2)
- 離婚問題の基礎(17)~強度の精神病~
- 台風で不動産から発生する被害は誰の責任?
- 実録・団体交渉(2)
- 民法改正が企業経営に与える影響 第1回 消滅時効は…短くなる?長くなる?
- 相続法が変わって事業承継はどうなる?(1)
- 離婚問題の基礎(16)~3年以上の生死不明~