離婚問題の基礎(16)~3年以上の生死不明~

 今回は、民法770条1項3号に規定されている離婚原因のうち「3年以上の生死不明」について書きたいと思います。

 

 ここでいう「生死不明」とは、死亡の可能性が相当程度あることが必要と考えられており(原因は問わない)、その状況が客観的に3年間継続していることをいいます。

 

 事故や災害に巻き込まれた場合などが想定されており、生きてはいるが行方不明であるとか、単に音信不通というだけでは足りません。

 

 ただし、生死不明が3年に満たない場合や、単なる音信不通などの場合は、「婚姻を継続し難い重大な事由」(民法770条1項5号)に該当することがあります。

 

 逆に、生死不明が7年以上ある場合は、失踪宣告(民法30条1項)ができるようになりますので、失踪宣告により死亡されたものとみなされれば、婚姻関係は解消されます。

 

 生死不明の相手方に対しては、調停をしても意味がありませんので、調停前置主義の例外として、いきなり離婚訴訟を提起することができます。

 

 認められるための要件も厳しいことからあまり多くはないケースだと思いますが、こういう場合にも離婚は認められますよ、という条文のご紹介でした。

 

日々の雑感

夏も終わりが近づいてきましたね。

自宅のすぐ裏が木の多い公園になっており、早朝から夜遅くまで「みーんみんみんみん」とセミがうるさかったのですが、それを聞いていたまだしゃべれない7カ月の娘が「まーんまんまんまん」とセミの鳴き声をよく真似していました。

最近はセミの鳴き声も心なしか和らいできたようで(耳が慣れただけ?)、夏の終わりを感じ、少し寂しくもあります。

また、娘も来年はもうセミのマネはしないかと思うと、それもそれで少し寂しくあります。。。

(令和元年8月26日 文責:下田)