「負」動産 状況の加速⁈ ~ニュースでは語られない「空き家」問題の実際~

 数年前から「空き家対策特別措置法」などが施行され、放置されている空き家の対策に行政が乗り出した、といったニュースなど、空き家問題に注目されています。が、現状では、より「負」動産の状況が加速しているように思います。
最近のニュースでは、廃校になった学校の解体費用を出すから、「買ってくれる」人がいないか探している、なんてニュースもありました。「負」動産になると、「買ってくれ」というよりも、お金付けるから「もらってくれ」って状況になってきているんですね。

 

 この動きは、私も最近よく感じています。よく話題に上るのが、会社の保養所、経営者の方の別荘などのリゾート地の問題ですね。最近などでは、どことは言いませんが、相続などが生じた際に処分に困る「負」動産が発生してきており、私(弁護士)始め、税理士、司法書士、不動産会社など、この手の不動産の処理って悩ましいよね、などといった話題も多いです。山林などであれば税金も高額というわけではないのですが、相続時などの処理が手間ですし、上記のようなリゾート地は、管理料が発生したり、税金もそれなりの金額になったりと、なかなか難しいところです。
また、戸建ての売却などにも、空き家の影響が出始めています。空き家になって、お子さん、お孫さんの代を困らせたくない、処分してしまおう、と思って色々動いていくとお隣さんが空き家になっている不動産を売る際には、隣地との境界を明示し、確定測量といった測量を入れるのが基本です。ただ、売るために、お隣さんに立ち上ってもらおうとしても、お隣さんが空き家になっていて、確定測量ができない、難航する、なんて事案も増えてきたのです。

 

 こんな風に、最近では、一昔前には価値のあった不動産が「負」動産となり、また対策しようとしても、「自分」のところだけでは、動けなくなってきている。私の肌感としても、かなり空き家問題は深刻になってきたように思うのです。

 

のどかな弁護士の近況

 前回は、革靴を磨くのにハマっているとの話をしましたが、相変わらずです。最近では、靴を磨くクロス(布)を持参し、案件のことを考えながら、少し靴を磨いていたりしています。同僚は、私の豹変ぶりに「あっ、靴また磨いているんだ。」「靴、今日もピカピカだね。」と、冷笑交りに構ってくれます。冷笑なのは、分かっているのですが、ハマると周りが見えなくなるので、私は、満面の笑みで「ありがとう!」とまた靴を磨くのでした。

 

(令和元年6月26日 文責:山村 暢彦)