「レオパレス」問題と事前の予防策

 昨年のスルガ銀行・「かぼちゃの馬車」事件に続き、不動産業界で、またショッキングなニュースが報道されていますね。かなり前に、姉歯建築士の「構造計算書偽造問題」も問題になりましたが、この手の建築物に関する問題は、事前対策が非常に難しいと感じます。

 まず、今回のレオパレスの事件ですが、建物に欠陥、不備があったり、防音性能が非常に悪かったりなどで、オーナー側から多数訴訟提起されていることが明るみになったというものですね。この建築物の不備といった問題は、非常に分かりづらいです。そりゃ明らかに床が傾いている、ドアが壊れている、壁に穴が空いているなどあれば別ですが、そこまでの欠陥が放置されているケースは、ほとんどないでしょう。今回問題となっている防音性能、騒音問題などでは、「音」は、人の感じ方によって違うので、欠陥かどうか非常に分かりづらいです。

 

 同様に分かりづらい問題として、部材のグレードの問題があります。単純に1枚3万円の板を、1枚1万円の板に置き換えられていたとしても、建築士や工務店勤務などの専門家でもなければ、通常気づけないのではないかと思います。

 

 このように、一般の方が気づけない建築瑕疵、不備の問題の解決のために、「ホームインスペクション」という制度を導入しようという動きがあります。「ホームインスペクション」とは、建築士などの専門家に、言わば、建物の健康診断をしてもらう、という制度ですね。建築士が事前に建物の診断を行うことで後から分かった水漏れトラブルや、屋根裏の破損など、こういうトラブルを減らそうという試みです。ただ、まだ導入段階で、どこまで実用的に取り込めるのか、コスト対効果上どこまで有効なのかは、今後の動向が注目されます。

 

 今回は、不動産の建物トラブルの問題点と、事前予防策のお話しさせていただきましたが、法律も「事実」をもとに主張するものなので、事実確認は非常に重要な要素だと言えます!

 

のどかな弁護士の近況(仮)

 相変わらず、土日は、部屋を掃除する、靴を磨く、スーツにスチーマーを掛けると主夫のような生活を続けています。部屋を綺麗に保つと、気分も良くなって平日の業務効率も上がった気がします。今年の抱負は、「自己管理」なのですが、その成果なのか、体重も徐々に減ってきています!「整理整頓ができている会社は業績が上がる」なんて話もありますが、少し分かった気がします。ただ、オフィスのデスクは未だ書類山積みなのであと一歩!

(2019年2月25日発行 文責:山村 暢彦)